ハーバードでは教えられない、スタンフォードMBAで私が学んだこと

ハーバードでは教えられない、スタンフォードMBAで私が学んだこと


 

人生とは何のためにあるのだろうか。世の人は何のために生きているのだろうか、そして何のために働いているのだろうか。スタンフォード大学MBAを卒業された、えいこさんは以下のように語る。

 

世の中の多くの方は信念を見つけられていません。自分がどうしたら自分らしく生きられるかを考えれないまま、人生の選択を決断しています。就職した企業で生涯を終える。そんな、なんとなくの人生を送っている人があまりにも多い。私は”人々が自分らしく生きられる”そんな明るい毎日を過ごせる社会をつくりたい。

 

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#EIKOさんプロフィール

 

慶応大学卒業後、マッキンゼーアンドカンパニー入社。2015年、文部科学省のトビタテ!留学JAPANの運営事務局として新規事業を担当。2017年、スタンフォード大学の経営学修士(MBA)および教育学修士(MA)を取得。2018年より「誰もが自分らしく働ける社会をつくる」ことをビジョンに掲げ、ランサーズ株式会社に参画し、米シリコンバレー在住のリモート社員としてフリーランス支援の新規事業を担当。

 

 

 

 


 

 

1 自分の信念をもつこと、もたないこと

 

信念とは文字通り、正しいと堅く信じ込む心である。

自分が自分らしくあるためには、まずは自分を知り、そして自分らしくいられる、自分の強みを活かせる環境を見つけないといけない。スタンフォードMBAの在学生の出身の内訳は30%がコンサル、30%が金融機関、40%弱がGAFA(Google/Facebook/Amazon/Apple)と意外と大手企業で活躍する人材が多い。王道のエリート達が、これからの社会をより強く生きるためにも、先人達が築いた古い物差しで自分を評価しないためにもスタンフォード大学は”自分の信念を見つけること”を大切にする。

 

2スタンフォード卒業生のキャリア

 

スタンフォード卒業後はスタートアップを起業する者、参画する者が非常に多い。それは自分の信念を大切にするためには、企業が大きくなればなるほど、確固たる企業理念ができあがり、個々人の信念を大切にすることが困難であるからではないだろうか。また、スタンフォードが位置するシリコンバレーという土地そのものが、起業家がいかに尊いかを物語っているからだろう。一方で、スタンフォード大学の授業料は馬鹿高い。借金を返済するためにも一度大手企業に舞い戻る人種も少なくない。授業料が1200万円を超える上、年収1000万円は低所得とされるシリコンバレーの高騰した土地に住む住居費、生活費を計算すると年間で相当な額が吹き飛ぶ。

 

 

スタンフォード卒業式

 

3ハーバードでは教えられないスタンフォードの授業とは

 

東海岸の名門といえば、ハーバード。西海岸といえば、スタンフォード。両大学はこれまで幾度となく覇権争い繰り広げてきた。DeNAの南場氏、楽天の三木谷氏等、ハーバードMBAを取得して日本で活躍する経営者も少なくない。そんな名門ハーバードMBAとスタンフォードMBAの違いは明ら

かであるとEIKO氏は語る。その違いはハーバードがビジネスにおける実践的なスキルを提供するのに対して、スタンフォードはビジネスをする際に必要な精神力や仕事を包含する「人生」全体を設計することの重要性について教えてくれるのだと言う。

 

確かに経営者で精神疾患を煩わせ、経営者を退くものや、不倫騒動で経営者から追放されるケースも少なくない。Intel, 500 startup, Uberと今年だけでも多くの経営者がそれを理由に失脚している。どれほど経営者としてのマネージングスキルを持っていたとしても、心の持ち方、人間関係の大切さを理解しないと経営者の行く末は闇深いと思い知らされた今年1年だったのではないだろうか。

 

スタンフォード大学のMBAでは実際に成功した経営者から、自身の失敗談や弱みなどの生々しい話を聞くことにより、経営者として生きる道についてじっくり考える機会が提供される。

 

4自分が社会に与える影響力を知ること

 

他人にも依存せず、一人で生きていくことが強いことである。誰もが皆、そう考えたことはないだろうか。しかし、人は人との繋がりであるコミュニティの上で成り立ち、人は人から逃げることはできない。人は人に依存することで、大切な人を失う際の辛さや恐怖を味わうが、それもまた人を成長させる重要な要因である。

 

スタンフォード大学のMBA授業では、自分の言葉、行動一つがいかに社会に影響を与えるかを学ぶ。通称Touchy Feelyという名物授業(正式名称:Interpersonal Dynamics)では、自分の言葉や言動が他人に対してどのような影響を与えているのか、というのを12人のグループ内でとことん追求する。フリーディスカッションをしながらも、自身の解釈や感情を赤裸々にフィードバックすることが求められる。その結果として、実は自分の意図とは正反対の形で解釈されてしまったり、相手の意図をまったく読み取れていなかったりすることに気づく。

 

 
スタンフォード卒業生とのお写真

 

 

5未来の決断は今しなくていい

 

時代の変化とともに思想は変わる。20年前にシリコンバレーの高卒放浪者が作ったスマートフォンで、全世界のライフスタイルが変革すると誰が信じただろうか。スマートフォンの普及、SNSの普及、4Gネットワークの普及でこれまでのコミュニケーションコストが極端に下がり、指先ひとつで他人とのコミュニケーションができるようになった。若者のカップル達は絵文字一つでお互いの愛を確認するほどまでに。

 

このようなライフスタイルの変化は多くの人は想像できないし、その時代に応じてやりたいこと・やるべきことは大きく変わってくるだろう。未来の決断は今しなくていい。今できる限りのことを、生きる。今守りたいことを、今守る。そして今を生きる。それが人生を豊かにする上で何よりも大切なことである。

 

6思いを言葉にする大切さ

 

極論ではあるが、人は他人を完全に理解することはできない。それは成長環境、これまでに関わってきた人から得られる”思想”が人によって大きくことなるからだ。この思想が、人が何かを測るための物差しとなり、その人の中での常識となる。常識は一人一人異なるがゆえに、人は他人を理解することが難しい。どれほど愛を誓い合ったカップルですら、思想のずれにより、別れの日が訪れるのと同じように。

 

スタンフォードでは、会社を経営する上で、「多様性を受け入れること」がいかに大切かを教えられる。創業者間争いや社員争いが会社にとって何よりも致命傷となるからだ。この差分をなくすためには、言葉を大切にすること。言葉を与え続けるということを忘れないこと。これが何よりも人との関係を築く上で、より良い社会をプラスの方向に向けるために重要なことなのである。

 

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飛び跳ねるEIKOさん

 

今回はEIKO氏のスタンフォードMBA体験をもとに、筆者の言葉を交えながら、スタンフォード大学MBAで学んだことをお届けした。今後、グローバルで挑戦する人材から得られる学びを同メディアで綴っていく。

 

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