Tesla CEOのイーロンマスク氏がついに”Tesla Energy”計画を明らかにし始めました。先日も紹介しましたが、マスク氏は持続可能エネルギーは世界を変えると信じており、エネルギー問題に強い関心を抱いています。マスク氏はこう言います。「私たちが目指すのは世界のエネルギー消費の在り方を根本的に変えることだ。」
そして現在注目を集めているのがバッテリーです。電力が最高需要値に達したり、災害などで停電になった時でもバッテリーがあれば心配ありません。
今のところアメリカでは、電力はジャストインタイム方式で供給されています。つまり電力は発電と同時に供給され、その時に必要な分しか作られません。しかしこのやり方ではいくつか問題点がでてきます。
まず、最高需要に対応するために発電所は必要以上に発電できる態勢を整えておかなければなりません。そのためアメリカでは発電能力の30%は実は必要性のあまりないものであると言われています。その不必要な発電のツケは消費者にまわり、電気料金が上がるのです。
そして高まり続ける需要に対応できないという問題があります。電力の需要が全体的に上がっても、発電所で作れる電力には限界があります。
これらの問題を解決するのに、電力を保管しておけるバッテリーはうってつけと言っていいでしょう。
エネルギーストレージ構想は70年代からあったようですが、この10年で持続可能エネルギーの必要性が高まったことや、ソーラーパネル、リチウムイオン電池の登場などによりエネルギーを保管するということに注目が集まるようになりました。
技術の進歩に伴い、バッテリーの使用効率は毎年8%上昇しているそうです。IHS TechnologyのリサーチマネージャーであるSam Wilkinson氏によるとバッテリーを使えば、数年で50%のコストダウンが見込めるそうです。
Teslaは家庭用にPowerWallバッテリーを、商業用にPowerPackバッテリーを用意しています。これらのバッテリーを使えば停電にも対応できますし自家発電を行っている所であれば電気代の大幅な削減になります。バッテリーを備えておくことはとても有益なことと言えるでしょう。
マスク氏は「これらのバッテリーが20億個あれば世界のエネルギーをバッテリーに入った保管可能なものにすることができる。」と言っています。
http://www.wired.com/2015/05/tesla-batteries/
日本では福島原発事故の後、国内の原発が停止したことで安全にはなりました。しかしそれに伴い電気代が上がったことで、私たち国民の負担が重くなりました。また原発で発電していた電力を火力発電に頼ることで、環境に大きな負荷をかけていることも事実です。バッテリーを活用していくことはこれらの問題解決につながるのかもしれません。