“起業したいです!”という日本人学生が日本で増える一方 “投資したいです!”という中国人学生がシリコンバレーで増えている現実

“起業したいです!”という日本人学生が日本で増える一方 “投資したいです!”という中国人学生がシリコンバレーで増えている現実
シリコンバレーでは親の莫大な資産を利用して、まともにお金を稼いだこともない少年がエンジェル投資家となるケースがある。シリコンバレーの中心地、パロアルトのユニバーシティアベニューを歩いているとスターバックスのベランダを陣取った中国系の大きな声が聞こえて来る。近くによって耳を澄ましてみると、”先月いくら投資した?” “俺は2千万””私は5千万”と投資した金額を競っているのだ。
驚きを隠せなかった私は週末、パロアルトでスタートアップを行う友達にその状況を話した。すると、”知ってる知ってる、ていうかその中国系投資家から先月X千万調達したよ”とに返答。彼曰く、その若き中国系投資家集団は現在シリコンバレーの中国市場を攻めたいスタートアップ界隈で話題となっているようだ。その投資家集団から資金調達することにより、莫大な資産をもつ親の華僑ネットワークを利用できるのが大きなメリットだという。
私はアメリカにきて、数多くのお坊ちゃん中国系学生に出会ってきた。車社会であるアメリカで車を持たない日本人学生が多いのに対して、ベンツやBMWなどの高級車を乗り回し車の金額で自分の価値を競いあう中国系学生は少なくない。そんな彼らに将来何がしたいかを聞いてみると決まって、アメリカで投資家になりたいと答える。大学卒業後は親から1000万-3000万の資金を銀行に振り込んでもらい、投資家ビザに切り替える予定だそうだ。
“僕、起業したいです!”という日本人学生が日本で増える一方 “僕、投資したいです!”という中国人学生がシリコンバレーで増えているのである。
中国はアジア最大の国土面積と世界最多となる約13億人の人口を有するアジアの大国である。人口だけでも日本の10倍近くあり、2020年までにGDPと一人当たり平均収入を2010年の2倍になるとされている。スタートアップをする身として中国市場でのユーザー獲得は見逃せない。今後、上述したような若手投資家集団から資金調達を行い、華僑ネットワークを利用して中国市場でのスケールを狙うスタートアップが増えるのも、そう遠くない未来だろう。
次回は若手投資家集団のインタビュー記事としよう。
tomura/hackletter