”手軽でおいしいおにぎりをアメリカで” SF発!おにぎり専門店の挑戦

”手軽でおいしいおにぎりをアメリカで”  SF発!おにぎり専門店の挑戦

大人気のおにぎり専門店、Onigillyは現在サンフランシスコ市内に3店舗展開されており、行列のできる大人気店だ。今回は、Onigilly CEO金松孝司氏に、その人気の秘密や経営理念を伺った。

もともとは、カリフォルニアにあるネット系会社に勤めていた金松氏。当初は会社周辺にある、手軽に食べられるランチのオプションの少なさに驚いたそうだ。『ブリトーやジャンクフードしかなくて、次第に太りだし、味にも飽きてしまいました。日本ではおにぎりはどこでも売られているので、アメリカでもそれなりに普及しているのかと思いましたが、そうではなく、とても疑問に思いました。』渡米2年後、Onigillyというおにぎり専門店の設立に踏み出した。

お店が軌道に乗るまで、様々な試行錯誤が重ねられた。米国ならではの日本との違いに、驚きや戸惑いがたくさんあったと、金松氏は語る。『まずは、ハイヤリングの時点で驚かされました。面接に遅刻してくる人や、来ない人もいました。経営も、日本では主流なワンマン経営はこちらでは通用しませんでした。日本的な感覚で準備を進めていくと、たくさんの問題に出くわしましたね。』

当然ながら、アメリカ人と日本人の間には大きな食文化の違いが実在する。Onigillyはそんな味覚の差を理解し、アメリカ人の舌に合う味付けを追求した。『日本的な、お米が多いおにぎりはまず売れませんでした。日本のお客様や、日本に行ったことのあるお客様には定評でしたが、より多くの人に受け入れていただくために改善の余地がありました。』

それから、具の量を増やしたり、サンドイッチを作ったり、まずはおにぎりという認識よりも、“食べたらおいしい”というコンセプトの基、味の改良に務めた。

今では、Onigillyはサンフランシスコで行列のできる大人気店だ。数ある飲食店の中で、そんなOnigillyならではの強みとは、何なのだろう。『私たちは、あくまでも おにぎりをメインに販売しています。他サラダボウルやサイドメニューもありますが、主役はおにぎりです。シェフやスタッフと共に作り出したメニューのなかで、サーモン、照り焼きチキン、意外にも納豆も人気です。ジャンクフード以外のオプションとして、健康で、手軽で、おいしい、おにぎりを展開しています。』

Onigillyでは皿や用具にも金松氏の配慮が感じられる。店内で使用されている皿や用具の99%はコンポスト可能の素材でできている。その他はリサイクルに回されるそうだ。『普通ゴミを埋め続けるのでは、切りがないと思いました。今後の店舗の拡大化にあたって、私たちの排出するゴミの量も大きくなると思います。それではいけないと思い、ほとんどのゴミはコンポストやリサイクルに回すようにしています。』

来年、Onigillyはサンフランシスコ周辺で2店舗の出店を目指す。翌年はベイエリア周辺に10店舗、最終的には全米で500店舗の展開を目標に掲げる

金松氏は、おにぎりならではのビジネス的可能性を語る。『今では至る所にあるサブウェイサンドイッチは、簡単な電子レンジの使用や、一連の流れがシステム化されています。それと同じく、おにぎりは、システム化がしやすく、簡単なオペレーションで展開することが可能です。現在は作った具材を真空パックにして、各店舗にデリバリーしています。サブウェイのように、シンプルなシステム化を基に、店舗拡張を目指します。』

飛躍的な拡大を目指すにあたって、金松氏はミッション型の経営方針を重視する。『おにぎりは日本でとてもメジャーですが、アメリカではまだまだ普及されていません。Onigillyを主要都市に展開していくことによって、より多くの人々にジャンクフード以外の、おいしく手軽なおにぎりを広めたいと思っています。そのミッションを軸に自分もスタッフも、日々励んでいます。』

今後、米国で気軽に食べられる日本食おにぎりのさらなる浸透と発達に期待したい。

インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!

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http://www.onigilly.com/#about