最近、無料のオンライン学習ツール(MOOC)がよく話題に上がるようになりました。MOOCでは無料でたくさんのコンテンツから好きなものを選んで学習することができます。また授業はオンラインでいつでも視聴することができるため時間に縛られることはありません。このような便利なツールは話題にはなっていますが大学の代わりになるところまでは大きくなっていません。それはなぜなのでしょうか?
まずはモチベーションの問題があります。授業の多くは無料で開講されていますし有料コンテンツも大学の授業料ほどの大金を必要とはしていません。このため少しでも授業が面白くないと感じたり難しすぎると感じた時、ユーザーは学習意欲を簡単に失ってしまう傾向にあります。実際、MOOCでユーザーが最初の週に離脱する割合は極めて高いものとなっています。
次に優先順位の問題があります。これはモチベーションの問題と繋がっているのですが、日々の生活の中でMOOCによる学習の優先順位が上がらないという問題です。MOOCは無料であるため授業を受けないからといって経済的に損をすることはありません。大学では多額の授業料を払っているため生活の中で自然と気にかけますし、その優先順位は自ずと上がります。
またMOOCでは実際に学校に行くわけではないので友達から授業に出るように促されることもなければ、先生から注意を受けるということもありません。つまり社会的な束縛がないのです。そのため学習の優先順位は下がっていってしまいます。
MOOCが大学に取って代わる存在になることはないでしょう。実際に大学に行くことで得られるもの、例えば友達や教授との出会い、実験や調査での経験などはオンラインでは得難いものです。しかしMOOCを活用すれば人々が学習できる内容が充実することに間違いありません。上記の問題をMOOCがうまく解決できれば人々の学習の仕方は変わってくるでしょう。
DuolingoやSchooなどのサービスはMOOCの中ではまだうまくいっているようです。今後これらのサービスがどのようにユーザーのモチベーションを維持していくのか、コンテンツを拡充していくのかに注目です。
翻訳記事元:http://techcrunch.com/2015/05/17/why-is-the-university-still-here/#.zllyqb:NLk0
HackLetterのライター兼エンジニア/大阪大学に在学しトルコ語というまず誰も学ぼうとしない言語を専攻する変人。またメガネ掛け機とよばれるほど、メガネをこよなく愛している。趣味はスタバでコーヒーを飲みながらMacで作業することのため意識が高い学生と勘違いされがちである。現在大阪の某スタートアップでエンジニアとして修行中。人々の生活を楽しくするサービスを作ることを目指し今日もスタバでコーヒーをすする。