<Part 2. 昨年6月に起業してからの、半年間について。>
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ビジネスに必要な資金は、どの様に調達されたのですか。
サービスの可能性が認められ、6ヶ月前にFelicis VenturesやStreamlined Ventures等のエンジェル投資家から、80万ドルの投資額を得ることができました。また、幸いにも私たちのサービスの魅力が初期の顧客に認められ、顧客自ら投資をして頂くことができました。その後、私たちのサービスの需要が増えるとともに、顧客から投資家への口コミを通じて「自分達のポートフォリオにモバイル・アクションを載せたい」と興味を抱いて下さる投資家が増えていきました。
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なぜ無料でサービスを提供できるのですか?
私たちが無料でこのプロダクトを提供できるのは、まずプロダクトに魅力があること、大きなクライアントがついていること、そして収入が常に支出を宇和丸という業績を上げているからです。
要するに、私たちはグーグルのサーチ・エンジン同様のサービスを提供しているわけです。サインアップをすれば現在存在する各モバイル・アプリのあらゆる情報を全て得ることができる仕組みになっています―アプリのカテゴリー内ランキング、利用者のレビュー、競合他社との比較データなど。
特に、私たちのサービスは、各モバイル・アプリに対して彼らのvisibility score(市場での存在感の目安)を提供することで、企業が自らの課題を一目で分かる仕組みを作りました。
一番の収入源は、顧客からのユーザー獲得依頼と、ペーパーパフォーマンスによる分析サービスです。私たちは顧客の目標ユーザー数に対して、最適なユーザー層を安価で集めることができる知見を持っているのです。
また、顧客によってはデータの分析から今後の企業戦略までのコンサルティングを、私たちに依頼する場合があります。その際は、ペーパーパフォーマンスにより、顧客が私たちの提供した戦略を気に入った場合に限って対価を払って頂くサービスを提供し、収益に繋げています。
今後は新たな試みとして、certification program(認定プログラム)を通じてさらに収益を増やす予定です。モバイル・アクションのサービスのエコシステムを作る予定です。私たちが認定したクライアント企業にモバイル・アクションのノウハウを提供することで、クライアント企業自身が彼らの顧客をコンサルティングできる様な仕組みを作ります。
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立ち上げから初期のメンバーは非常に重要だと思います。どの様に人材確保されたのですか。
エンジニアは全て母校のビルケント大学から集めています。トルコのMIT(マサチューセッツ工科大学)と言われるだけあり、賢くてデータに強い人材が集まっています。私たちは彼らのことをロックスターエンジニアと呼んでいます。( “We call them rock star engineers” )
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特にどのようなスキルを持っている人を雇いたいと思いますか。
自ら仕事を探し、行動できる人。特にIT企業なので、問題を速く対処出来る人が望ましいです。またモバイル市場は新しいアプリ製品が日々生み出され非常に変化が激しいので、自分の専門外のことに対応しマルチタスクできる人、さらに100%コミットメント出来る人を求めていいます。朝から夕方17時までの昼間だけ働きたい人が、来る場所ではないですね。
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競争の激しい米国シリコンバレー、Karaalioglu氏はCEOとして毎日どの様な生活を送っているのですか?
睡眠は4〜5時間程度であまり取れていないかもしれないです。特にトルコ法人のエンジニアとやり取りすることが多いため、時差があり、余計寝れません。
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毎日のスケジュールについて教えていただけますか?
結構詰めているため、予定は二ヶ月前倒しで決めています。遊びや自分の好きなことをする時間が取れていませんが、家もオフィスに近いサンフランシスコにすることで、散歩をしたり、運動をしたりする時間を取る様には心がけています。
<Part 4. 今後のビジョンと日本の市場について>
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今後のビジョンについて教えて下さい。
「ナンバーワンのアプリ・ストア分析会社になること。」
それが私たちの目標です。
また東京とロンドンになどに支店を作り、アジアやヨーロッパの市場に進出したいです。目標は、20万の企業にユーザーになってもらい、20%〜25%のマーケットシェアを確保し、グローバル企業にすることです。これまでは、コンテンツライターのブログ記事やクライアント経由で知名度を徐々に上げてきました。日本からのアクセス数もすでに全体の7%をも占めているが、もう少し欲しいのが本音です。全ての企業を億万長者にすることができれば、我が社もビジネスを続けられる。皆が特をするのです。
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日本のモバイル市場や起業家についてどう思いますか。
あまり日本の市場には詳しくはないのですが、潜在的には大きなモバイル市場があると思います。私が聞いた限り、日本の起業家は非常に頭が良く、ハードワーカーで、綿密に目標を立てる人が多い様です。
日本のアプリ製品も、展開の仕方次第でアメリカや海外の他の市場で闘えるだけの競争力があると思います。しかし、チャンスは一度しかないため、参入する際は現地市場を理解し切り、準備万端でなければならないですね。そのために、我が社モバイル・アクションを使って欲しい。良いアプリは目に見えるべきです。日本には良質なアプリが沢山あります。
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海外市場にどの様に進出するのが良いのでしょうか。
まずは、誰もが魅力的だと思う“super cool”なアプリ製品を作ることです。簡単に使えて、ユーザーフレンドリーで、引っかかりやすいものでしょう。その後アメリカ市場を目指すならば、オーストラリアやニュージーランドなどの英語圏の市場から試し、反応を見るべきです。日本に近いため、文化的にも受容されやすいと思います。それらの国でユーザー獲得に成功できた後に、マーケットが最も大きいアメリカで挑戦するのが良いでしょう。アメリカで展開する際には、準備万端でなければならなく、一発勝負なのです。
本日はインタビューにご協力頂き、誠にありがとうございました。
レポーター/慶応義塾大学法学部政治学科3年生でUCバークレー校に現在留学中。米国ロサンゼルスに生まれ。中高生時代に校内外の海外派遣事業でアジアを中心に計7カ国を訪問。また、全日本高校模擬国連大会への出場する中で、国際政治に関心を抱く。慶應義塾大学に入学。細谷雄一ゼミで西洋外交史を学ぶ。そのほか、米スタンフォード大学への短期留学や日露学生フォーラム、米ハーバード大学主催アジア国際学生会議に参加し、2014年には同会議の誘致に成功、企画部門代表を勤める。それらの経験より、日本を世界に世界の出来事を日本に発信する国際ジャーナリストを目指す。UCバークレーでは、学生新聞社The Daily Californianのマルチメディア部門でビデオプロデューサーとして入社し、春からエディターに就任。その他、2012年度ミス慶応コンテスト準グランプリ受賞。