最近のシリコンバレーのスタートアップでの流行言葉は“design-led.”「デザイン先導であれ」です。開発や資金調達が誰にでもできるようになったためデザインで勝負するというトレンドは自然の流れになりました。しかし、会社が大きくなる中でいつまでもデザイン志向でいられるのでしょうか。急成長してもクリエイティブであり続ける構造はどのようにして作るのでしょうか。Airbnbデザイン部門の新主任Schleifer氏によると、この問題はどのスタートアップも直面する問題のようです。
Schleifer氏とAirbnbのCEO,Chesky氏はデザイナーの強調を抑えるべきだと会社の中で述べています。さらにSchleifer氏は以下のように述べています。
「重要なのはデザイン先導文化を作らないことだ。デザイン先導文化を作ってしまうと、その他の部署がないがしろにされていると感じてしまうからね。」
デザイナーが特に得意とする分野、ユーザー視点をもっと重要視すべきだと氏は言います。Airbnbではプロジェクトチームがエンジニアやデザイナーに特化するということはなく、プロジェクトマネージャーはユーザーの代表意見を提示します。Schleifer氏によるとこの構造だと様々な視点が交錯し対立が発生します。そしてこの対立こそが大きなイノベーションを引き起こすきっかけになるということです。
Airbnbでは他者のwebサービスとは異なり、現実世界での体験こそが顧客のAirbnbへのイメージになります。彼らはこのユーザー視点を取り入れた対立構造を利用して顧客に最高の経験を提供することで成長を加速させているようです。
シリコンバレーの文化はデザイン先導であることに間違いはありませんが、Schleifer氏はデザイナー先導であることはかえって、逆効果であると助言しています。webサイトのデザインの向上を優先すべきかそれともユーザーの体験を向上させるべきか、つまり何をデザインするかを見極めることが今後ユーザー数を伸ばしていく鍵となるでしょう。
翻訳記事元
http://www.wired.com/2015/01/airbnbs-new-head-design-believes-design-led-companies-dont-work/
HackLetterのライター兼エンジニア/大阪大学に在学しトルコ語というまず誰も学ぼうとしない言語を専攻する変人。またメガネ掛け機とよばれるほど、メガネをこよなく愛している。趣味はスタバでコーヒーを飲みながらMacで作業することのため意識が高い学生と勘違いされがちである。現在大阪の某スタートアップでエンジニアとして修行中。人々の生活を楽しくするサービスを作ることを目指し今日もスタバでコーヒーをすする。
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