個々人の「信用」が可視化される。オフラインでの行動がオンライン上で完結する。

これにより、シェアリングやレンタルサービスは低価格化する。店舗での長い長い待ち時間や、行列が解消される。ルーティン的な意思決定は自動化され、データに基づきあなたの携帯が、その時々にあった必要なものを提案してくれる。

これは、決済の発展がもたらす「新しい購買体験」の一部に過ぎない。

 

近年、LINE PayやApple Pay、楽天ペイにアマゾンペイなど各社がこぞって独自のモバイルペイメントを打ち出している。

メルペイ社(株式会社メルカリのグループ会社)もその一つだ。メルペイ社は、昨年、同社のプラットフォーム構造に基づくデジタルウォレットの提供のために発足した。 

今回は、9月7日にメルカリオフィスで行われたミートアップ、「【決済の次に来ること】メルペイCPO/PM公開対談〜ChinaとUSを題材に〜」での学び・発見をシェアしたい。なお、このイベントでは、#merpay_nextpay というハッシュタグが使用されたため、Twitterなどで同ハッシュタグを検索すると、参加者のメモや疑問、感想を見ることもできる。そちらも併せてご覧いただくと理解が深まるだろう。

イベント概要

“メルペイCPO(Chief Product Officer)の松本 と、 メルペイPM(Produc Manager)中国インターネット研究所所長の家田が 中国やアメリカの事例をもとに、 これから起こる決済革命とまたそのさらに先の決済革命のあとに起こること、変わる未来についてお話します。”

このイベントに参加したらこんなことがわかる!

最新の中国 / アメリカの決済事情とリテール

OMO(online merge offline)とは何か?

モバイルペイメントが普及して生まれたレンタルの世界

メルペイのCPOが考えている(妄想している)こと

決済が変わるとどんな未来が期待できるの?

(個人的に、タイムラインやコンテンツ概要だけではなく、「なにがわかるのか」を明らかにするのはスマートなアイデアだと思う。そこで何が学べるのかが分かっていると、参加者は自分がそこで得られるものを想像しやすく、ターゲットに刺さりやすいと言える。)

本題に入る前に

決済とは

・決済は、それだけでは成り立たない。

・決済とは、顧客と店舗を繋ぐポイント、タイミング

メルペイにジョインするにあたって ーメルペイCPO 松本氏

・メルペイにジョインするにあたり、上海、深セン、シアトル、NYCへ足を運んだ。

・NYC:オンライン発の企業は、どこもNYCにフラグシップをかまえるから。

・Amazon Go:「レジに人がいない無人コンビニ」であるAmazon Goの一号店が2018年1月、シアトルにオープンしている。

海外でサービスを使うときに気をつけていること

・マクロとミクロの組み合わせ まずベースの知識を集めた上で、現地の人の意見などを聞き、関連アプリを一通りダウンロードする。

・なるべくアプリはAndroidで入れる。特に中国の場合、アンドロイドの方がシェアが大きいので、そちらにより最適化されている可能性も。その地域でのシェアが大きい方で試すのがポイント。

中国の覇権の変化

BATからATへ

これまで、中国の企業で存在感があったのは、Baidu, Alibaba, Tencentだったが、近年はBaiduのプレゼンスが低下してきており、Alibaba, Tencentの二強になりつつある。

・後述するが、特にZhinmaCreditを利用しているAntFinancial(旧アリペイ)の勢いは眼を見張るものである。(時価総額15兆円)

決済の次に来ること

キーワードは「なめらかさ」。メルペイ社では、「なめらかさ」をキーワードとしてサービスの展開を図っている。

 

「信用」がなめらかに

・日本でモバイルバッテリーをレンタルしようとすると、20分200円程度が相場である一方、中国では、30分20円と破格で利用することができる。さらに、日本では駅や空港などの充電ステーションに携帯を置いて充電するのに対し、中国ではバッテリーの持ち出しも可能である。

➡︎日本は、基本的に現金決済がベースのため、誰が利用/支払いしたのかが情報に残らない。(=信用情報がない。)対する中国は、電子決済の発達により、本人であることがわかり、決済情報も残る。信用情報はZhimaCreditにある。つまり、本人確認、決済、信用が三位一体である。

-Alipayと紐づけることで、もし充電器が返却されなかったら金額を口座から勝手に引けばいいことになっている。また、ある人に貸していいかどうか信用情報があることで判断できる。「借りパク」する人がいるが故に、きちんと返却する人にまで及んでいるコストを無くすことが可能。これによりレンタルのコストも下がっている。

Zhima Credit(芝麻信用)

-身分特徴(信用できる個人情報があるか)、信用履歴(貸し借り記録、クレジットサービス履歴)、消費行動の偏向(買い物、送金の傾向、安定性の有無)、約束履行能力(安定した収入と個人資産)、人脈(友人の身分の特徴)などが可視化されている。

-中国では、このスコアが一定以上でないと利用できないデーティングアプリなども登場している。

-もともとは、アメリカのFICOをモデルにしたもの。FICOモデルは、クレジットカードと紐づいていたので、クレジットカードを持っている人までしかトラックできなかった。一方ZhimaCreditを利用することで、モバイルを持っている人口をカバーできた。

-FICOスコアは、返済実績を中心に見ているが、個人のキャッシュフローは考慮していない。

まとめ

日常生活と決済が結びつくことで、日常の行動が可視化され、低価格でサービスを使えるように。

 

「消費」が滑らかに

OMO (Online Merge Offline)

インターネットの人口ボーナスが消失した中国の次の起業機会として、オンラインとオフラインが融合するところ、と定義される。

・OMOにより、消費と決済のタイミングが同時でなくても良くなっている。

例)①プレオーダー(事前決済体験の向上)

ミニプログラムで事前オーダーし、決済。→受け取り番号のプッシュ送信でお知らせ→お店では、受け取るだけ!店舗の人は、決済はせず、商品を準備し、渡すことだけに専念すれば良い。

例)②無人コンビニ(事後決済体験の向上)

専用アプリのQRコードをつかてゆう天使、商品をピックアップしてお店を勝手に出るだけ。入店時に顔写真を撮影されるほか、商品ピックアップ時に顔写真と取得したそう品を認識する。退店後には自動で決済される。

まとめ

➡︎決済に伴う様々な決済に伴う様々な行動が不要になり、より便利に、よりストレスフリーになる。(=サービスを受けるタイミングと、決済のタイミングに差があってもよくなる。事前段階/先回りして行動することで、待ち時間がなくなる、という世界が実現するのではないか。

 

「意思決定」がなめらかになる

・直近の行動に基づいて、行くお店や買うものを提案してくれる。ルーティンな意思決定は自動化。

例)通勤しながら、いつものコーヒーをモバイル上で注文&決済。→お店では商品の受け取りだけ!

・現状として、今のアリババ社の技術では、個人が、何を買ったかを初めとする購買の詳細なデータは記録されていない。(どこで、いくら買い物をした、までは記録に残る。)

・アリババ社は、いわゆる「パパママショップ」をフランチャイズ化し、オンライン上の販売履歴に基づいて商品の仕入れを最適化しようとしている。

 

イベントレポは以上だ。今回のイベントでは、主に中国とアメリカの事例に基づいた、決済の未来に関する知見がメインコンテンツであった。メルペイ社やそこで働く人々、元となった構想などのについては、記事も多く散見される。興味を持った方はぜひそちらも検索してほしい。

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