宅配サービスは完全に信頼することはできないという意見が少なくはない。ウーバー形式で運転手を雇ってオン・デマンドの宅配を提供しているレストランと共同をするソフトウェアやスマートフォンのアプリなどを制作したPalo Alto, Calif.-based DoorDashの共同設立者兼CEOのTony Xu氏は「皆さんが思っているよりもこれははるかに難しいこと」と語る。
DoorDashというアプリの原型をスタンフォード大学で作った後、Xu氏と共同設立者たちは2013年にYコンビネータでこのアプリを完成させた。このアプリは商人、運転手、そして消費者のニーズを結集させたものであった。Dashersと呼ばれる運転手たちは、配達のために彼らを必要とするレストランとペアを組む。一方、レストランは運転手たちがどこにいるのかを知ることができ、消費者は運転手が到着する予定の正確な時間を知ることができる。そして、信頼性をできるだけ高めるというゴールを軸に、料理の調理時間や、料理が配達中何分ぐらいで冷めるかということも知ることができる。
DoorDashの設立者たちは当初、喫茶店から花屋まで幅広い分野の小企業の配達に関する慢性的な問題を発見し、オンラインマーケティングの有効性を査定するためのツール製作に励んでいた。
レストランは注文が来るタイミングを知ることが難しく、そのようなときには、配達の注文がない時に運転手に給料を追加で払って待っていてもらうか、運転手のシフトが始まるのを待つかという選択しかなかった。DoorDashはこの問題に対処すべく奮闘した。
サービスにおいては、消費者は市場によって5~7ドルの均一料金を運転手にし支払い、レストランはDoorDashに手数料を支払う。DoorDashはその手数料から運転手に給料を与える(DoorDashはその額がいくらかは公表していない)。運転手は独立請負人で、自分の車やバイクを使って配達をする。
このシステムの完成に、投資者たちは大いに沸いた。DoorDashは2014年のシリーズAラウンドを1700万ドルという収入で締めくくった。Kleiner Perkins Caufield & Byersの率いた2015年の3月にはさらに4000万ドルの利益を生み出した。
「DoorDashは消費者向け技術における最も難しい問題を解決し、配達における最後の砦をスムーズに乗り越えた。」「Tony Xuと彼のチームは、注文方法とその受け取り方法において高度なアルゴリズムとオンデマンドシステムを開発した。」とKPCBのジェネラル・パートナー兼DoorDash取締役のJohn Doerr氏は語る。
その利益の流入はDoorDashの拡大の一助となった。今年の5月で、このサービスはアメリカの11種の市場で利用可能になり、年内には20種もの市場にアクセスをする予定である。
食品関係以外の小売商人もDoorDashの利用も考えており、Xu氏もそれに応じる姿勢を見せている。そのためにXu氏はまず、彼の選んだセクター内での配達に関する問題を解決することを目指している。
「私たちがレストランを選んだのはレストランが十分な配達サービスを受けていなかったからであり、さらにレストランは消費者と良い関係を築くのに長けているからです。」とXu氏は語った。「皆さんが私たちのシステムをとても便利なものと考えていただけたら幸いです。」
DoorDashの今後の活躍に期待したい。
http://www.entrepreneur.com/article/248118
今年3月からサンノゼ州立大学に1年留学する大学3年生。世界中の人々が自分の願いを見つけ、その願いを存分に生きることができる世界をつくることを念頭に、通訳士を志望する。趣味は音楽でミスチル信者。