AI HealthTechの「Curon」が11億円調達!【AI】2018年5月 日本 国内の資金調達状況まとめ

AI HealthTechの「Curon」が11億円調達!【AI】2018年5月 日本 国内の資金調達状況まとめ

国内唯一のユニコーンのメルカリがIPOを果たし、次のユニコーン企業はどこになるのか注目が迫るなか、5月も大型投資は行われた。 同記事は日本市場で5/11-20に資金調達を実施した日本企業を抜粋、新規性、技術性、収益性、社会貢献性の4視点より、独自の評価基準を元に分析していく。

5/11~5/20の資金調達案件 紹介順

5/14 カロミル AI 6000万
5/14 weeeks シェアリングエコノミー 数千万円(非公開)
5/14 curon(クロン) AI / Health Tech 11億
5/14 カケハシ Health Tech 9億
5/15 UPWARD クラウドCRM 3億
5/16 ウェリコ SaaS 5000万円

 

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 5_10-20投資案件

カロミル

5/14、6000万(円)

新規性(B) テクノロジー(A) 収益性(A) 社会貢献度(A)

領域:AI

投資家:電通サイエンスジャム(DSJ)、CSAJファンド、FFGベンチャービジネスパートナーズ

サービス:食事の写真からカロリーや栄養素を自動算出

解決する課題:データを記録する面倒をなくす。

参考:https://jp.techcrunch.com/2018/05/14/calomeal-fundraising/

 

概要:写真を撮るだけで、カロリーはもちろん、たんぱく質や脂質、糖質など細かい栄養素を残せる。そのデータをもちいて一週間で栄養の帳尻を合わせたり、ダイエットの調整ができたりする。現在は約1000品目の食事メニューを識別でき、識別率は82%。今後は新しくカロミルを通じて蓄積した食事(栄養素)データと、DSJが解析知見を持つ感性や脳波といった生体信号データの関連性を研究することで、食事がメンタルヘルスや労働生産性に与える影響を探っていく予定。これによってヘルスケア領域で、新たな未病対策や疾病予兆への改善助言なども可能になると考えている

評価 :「AIに目がついた(画像認識技術の工場)」これが第3次AIブームの特徴である。その特徴をうまくビジネスにした形だ。競合は特におらず、食と健康のデータ化には将来的にかなり価値がある。健康予防に対する意識は近年特に高く、企業が導入するケースもあり、toBでもビジネスを広げられる。

 

weeeks

5/14数千万円(非公開)

新規性(A) テクノロジー(B) 収益性(B) 社会貢献度(B)

領域:シェアリングエコノミー

投資家:ANRIとKLab Venture Partners

サービス:週末や1週間の“短期ルームシェア

解決する課題:コミュニティの創出

参考:https://jp.techcrunch.com/2018/05/14/teritoru-fundraising/

 

 

 

概要:「weeeks(ウィークス)」は週末や1週間の“短期ルームシェア”体験を通じて、普段の暮らしにはない新しい発見を得たり、ちょっとした刺激を取り入れられるサービスだ。ルームシェアをしたい人を探すサービスや、ルームシェアのできるスペースを探せるサービスは存在するが、weeeksの場合は人とスペースをまるっとコーディネートしているのが特徴だ。1週間の相場はだいたい2万〜3万円。

評価 :シェアリングに、コミュニティ創出という付加価値がついている。日本ならでは、知らない人とのルームシェアは良いユーザー体験をもたらす。いささか、市場が狭いように見えるが、次世代のUberやAiebnbに化けうる。

 

curon(クロン)

5/1411億(円)

新規性(B) テクノロジー(B) 収益性(A) 社会貢献度(A)

領域:AI / Health Tech

投資家:三菱商事と非公開3社

サービス:医療機関向けのオンライン診療サービス

解決する課題:遠隔医療の環境構築の面倒をなくす

参考:https://jp.techcrunch.com/2018/05/14/health-tech-startup-micin-fundraising-1-1-b-yen/

 

概要:curonは、予約から問診、診察・処方、決済など、遠隔医療に必要な機能が一式そろった医療機関向けのオンライン診療サービス。初期費用・固定費なしで、PCだけでなくタブレットやスマートフォンなどからも利用できる。患者側も利用は無料。スマホアプリでいつでも診察・処方が受けられる。リリースから2年で約500の施設に導入されているという。

評価 :HealthTechは、ほかのTech産業と比べ、お金を支払う顧客の機関や個人の種類が多いという特徴。さまざまなシーンでの活用が可能になることで市場は拡大している。他社のオンライン診療サービスでは、販売したところで終わる企業が多い。我々は医師と患者のやり取りをデータ化し、効果的な治療につなげていくことができるのはCTOがAIのスペシャリストである強みである。

 

カケハシ

5/149億(円)

新規性(B) テクノロジー(B) 収益性(A) 社会貢献度(A)

領域:Health Tech

投資家:グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、Salesforce Ventures、SMBCベンチャーキャピタル、Draper Nexus Venture Partners、グリーベンチャーズ、500 Startups Japan

サービス:薬剤師が患者に対して行う服薬指導を記録し、薬歴を作るサービス

解決する課題:薬歴記入の時間短縮。患者さんに沿った服薬指導と生活アドバイス。

参考:https://jp.techcrunch.com/2018/05/14/kakehashi-fundrasing/

 

概要:サービスによって、毎日2〜3時間の業務負担を大きく削減することが可能であるほか、患者の疾患、年齢、性別、アレルギーなどの情報や過去の薬歴などを参照して最適な指導を行うことができる。すでに4000万の売上をあげ、現在、Musubiには約8000店舗からの問い合わせがあり、それらの店舗への導入率は約6割。

評価 :すでに収益化もでき、顧客も持っている。回調達した資金を利用して、エンジニアとカスタマーサポートの人員を大幅に強化することを目指す。競合の参入障壁を高くしていれば無問題。

 

UPWARD

5/153億(円)

新規性(C) テクノロジー(A) 収益性(A) 社会貢献度(A)

領域:クラウドCRM

投資家:Draper Nexus Venture Partners、Salesforce Ventures、日本ベンチャーキャピタル、アーキタイプベンチャーズ

サービス:CRMと位置情報を連携した外回り営業向けのクラウドサービス

解決する課題:プランだけでなく最適にリコメンドしてくれる

参考:https://jp.techcrunch.com/2018/05/15/upward-fundrasing/

 

概要:従来のフィールドセールスでは、CRMにある情報をもとに準備をし、そこに書かれた住所に訪問するというのが一般的。一方、CRMと位置情報を組み合わせたUPWARDでは、例えば自社製品の資料請求を行った企業のオフィスがたまたま営業員の近くにあれば、ツールが自動的に「訪問すべき」というリコメンドを行う。サービスは2011年からリリース。現在の導入社数は約200社だ。導入企業で多いのは、クルマや機械など単価が高い製品を扱う企業で、かつルート営業を行う企業なのだという。

評価 :2016年の国内CRM市場規模は、前年比3.7%増の938億5,300万円(IDCJapanしらべ)と大きい。営業活動の結果が学習されていって、会社としてノウハウが蓄積し、勝ちパターンがリコメンドされていく仕組み。市場には営業支援ツールが溢れかえっているが、UPWARDはアプリケーションレベルでDBと接続されているのが強み。営業支援ツール類は大手になればなるほど企業の基幹システムへの繋ぎこみなど、要望が増えてきて導入が困難になりがち。また業務スタイルなども考慮してカスマイズをかけようとするとほぼ独自仕様のシステム開発に近い状態になるケースも散見される。UPWARDはアプリレベルでその対応ができること、さらに前述のような地図との強い連携ができるのが強み である

 

 

ウェリコ

5/165000万(円)

新規性(B) テクノロジー(B) 収益性(B) 社会貢献度(B)

領域:SaaS

投資家:ニッセイ・キャピタルおよび個人投資家

サービス:飲食店向けの複数のSaaS

解決する課題:

参考:https://jp.techcrunch.com/2018/05/16/welyco-fundraised-50-m-yen/

 

概要:「Menu Maker(メニューメーカー)」は、スマートフォンでおすすめメニューを作成できるサービス。手書きメニューに代わりデザインされたメニューを月額980円で何度でも作成でき、PDFやFaxで出力することが可能だ。「Oroshiru(オロシル)」は、飲食店が卸業者へのFax発注をスマートフォンで行えるサービス。今使っている発注書を利用でき、卸業者へはメールやFaxで従来通りに発注書が送られるので、業者との調整をすることなく導入可能だ。一度登録した商品は保存されて、再発注の際は入力の手間が省ける。また過去の発注情報を確認できるので、発注ミスを防止し、仕入を最適化することができる。こちらも無制限に利用可能なベーシックプランが月額980円で提供されている。

評価 :飲食業界でSaaSサービスの提供企業はこれといってない。がら空きの市場でもあるが、おそらくSaaSとして提供できる共通の課題がそこまで多くないからだと考えられる。サービス内容的に月額980円より高額にはしにくい。飲食店は全国で54万店舗。最大で64億の規模。サービスの量と提携店舗で増加でリターンは少しでそう。SaaSの特徴として初期段階の赤字は免れないため踏ん張りが必要だ。

 

まとめ

今回の資金調達はHealth Tech 企業に対しての大型な投資が目立った。

エムスリーが医療界にITサービスを切り込んでいったことを背景に、徐々にIT化が進みつつある。この分野ではまだまだ提供できることが多く、投資も進みそうだ。 

 

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