今月8日、米グーグル社は、開発者会議「Google I/O」を開催し、会話人工知能(AI)の「Google Duplex」などを発表した。そこで披露された、AI(合成音声)が実際に美容室に電話をかけ予約をする動画を見て、AI技術の進歩に改めて驚き入った人もいるのではないだろうか。
今回は、2018年5月前半に米国のAI関連企業で資金調達を行なった企業のうち、10億以上調達した企業7社の分析を行なった。2018年5月1日から15日までに資金調達をおこなったAI関連企業の総数は24社、そして調達額を公表している企業の平均資金調達額は13,434,688米ドルであった。(2018年5月17日時点で日本円にしておよそ14億円。)
5/1~5/15の資金調達案件 日付順
5/1 Suki社($15,000,000)
5/3 SoundHound Inc.社 ($100,000,000)
5/8 Gamalon, Inc.社 ($20,000,000)、Avaamo社($$14,200,000)、XNOR.ai社 ($12,000,000)
5/9 Drishti社($10,000,000)
5/15 Beautiful.AI社($11,000,000)
Suki
5月1日、$15,000,000(約15億円)
新規性C 、テクノロジーA、収益性A、社会貢献度B
投資家:Venrock, Social Capitalなど
解決する課題:カルテなどの病院の書類をデータとして管理することで、医師の負担を軽減する。
参考:https://www.suki.ai/
概要:同社は、患者のカルテや、医療に関する書類をデータ保管するための医師向けサービスを提供する。AIによりサービスはパーソナライズされ、使うにつれてよりユーザーに特化した使いものとなる。また、音声作動機能も搭載している。
評価 :「医療」という日常生活からおおよそ切り離すことのできない分野をAIを使いクラウド管理していくサービスは、今後も需要が高まると思われる。
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SoundHound Inc.
5月3日、$100,000,000(約100億円)
新規性C 、テクノロジーA、収益性A、社会貢献度C
投資家:Venrock, Social Capitalなど
解決する課題:日常生活にAI音声認識を導入する。
参考:https://www.soundhound.com/
概要:同社は主に3つのサービス(HOUNDIFY、SoundHound、HOUND)を提供している。どれもAIの音声認識技術を利用し、ユーザーが使うほど学習し、よりカスタムされていく。また、若者の間で人気のあるSoundHoundというアプリは、ユーザーが音楽を流すとその音楽の曲名を表示してくれるが、鼻歌にも対応している。
評価 :AIの音声認識機能をスマホのアプリのような身近なデバイスで使えるようにしているが、かつて存在していなかったサービスではないため斬新さには欠ける。
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Gamalon, Inc.
5月8日、$20,000,000(約20億円)
新規性B 、テクノロジーA、収益性A、社会貢献度B
投資家:Rivas Capital、Boston Seed Capital、Omidyar technology Capitalなど
解決する課題:。
参考:https://gamalon.com/
概要:同社HPでは同社が開発したIdea Learningという技術を使いユーザーが描いた絵を認識する技術を紹介している。同社はこういったテクノロジーをクラウドプロバイダ上で使えるサービスとして提供している。
評価:今日の機械学習の多くがインプットとアウトプットを繰り返すことでなにかを習得するのに対し、同社の技術は、実際に会話するようにサービスと会話することによって学習させることができる点で画期的である。
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Avaamo
5月8日、$14,200,000(約14.2億円)
新規性C 、テクノロジーA、収益性A、社会貢献度B
投資家:Ericsson Ventures、Wipro Ventures、Mahindra Partners、Intel Capital
解決する課題:これまで人が対応していたトラブルシューティングやコンサルの役割をAIに担わせることにより、効率化と人件費削減を実現する。
参考:http://www.avaamo.com/
概要:同社のサービスは多岐にわたり。金融サービス、リテール、ヘルスケア、保険などあらゆる分野で活用される。AIが銀行のような役割をしたりATMのアシスタントをしたり、トラブルシューティングにあたったりする。
評価:ヒトの仕事をAIが代替するサービスの一つである。サービス自体は目新しいものではないが、今後AI化が加速すると考えられる世の中においてビジネスモデルとして模範になる可能性あり。
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XNOR.ai
5月8日、$12,000,000(約12億円)
新規性C 、テクノロジーB、収益性A、社会貢献度B
投資家:NGP Capital、Autotech Ventures、Madrona Venture Group、Catapult Ventures
参考:https://www.xnor.ai/
概要:同社はスマホ、ドローン、家庭内IoTとあらゆるデバイスに搭載できるAIを開発している。同AIが搭載されることによって、デバイスがセキュリティーの向上を計れるため、より安心にデバイスを利用することができる。
評価 :サービスのコンセプトが固まりきっていない模様。また、新規性が少なく、次回のラウンドで苦労しそうである。プラットフォームというより、受託よりなサービスである。
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Drishti
5月9日、$10,000,000(約1o億円)
新規性B 、テクノロジーA、収益性A、社会貢献度B
投資家:Benhamou Global Ventures、Andreessen Horowitz、Emergence Capital Partnersなど
解決する課題:作業効率化
参考:https://drishti.com/
概要:同社は工場の作業員の労働をより効率化すべく、作業員の行動をトラッキング、及びデータを解析することで工場にあった作業効率化のソリューションを提案している。
評価 :AI領域に強いAndreessen Horowitzが投資していることから、技術力の信頼性も高く次のラウンドも容易に調達できるだろう。
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Beautiful.AI
5月15日、$11,000,000(約11億円)
新規性A 、テクノロジーB、収益性B、社会貢献度C
投資家:First Round Capital、Trinity Ventures、Shasta Ventures
解決する課題:作業効率化
参考:https://www.beautiful.ai/
概要:同社は画像認識技術により、より視覚的に美しいプレゼンテーションを作成するツールを提供している。ユーザーは文字の大きさやグラフのサイズを考える必要なく、プロフェッショナルでわかりやすいプレゼンを簡単に作成できる。
評価 :プレゼンの資料作成はどこの企業にとっても必要といっても過言ではない。これまでPreziのようなデザインに時間をかける必要はなく、視覚で魅了するツールはあったが、AIを利用したデザインの自動生成は同社が初であり、サービスの新規性は高い。
次に、今年の平均資金調達額の推移を見てみよう。
上のグラフは、2018年の半月ごとの平均資金調達額をグラフにしたものであるが、ご覧の通り、4月前半は、同年1月前半($15,897,083)以来初めての大幅な平均額の下落を記録した。
また、上の図は資金調達した企業の数を表したグラフだが、2018年4月前半のAI関連企業の動向は、先に述べた平均資金調達額のみならず、総数においても、下降の波の中にあるように思われる。
約2週間で2018年が折り返し地点となる。今後 AIを活用したどのようなサービスが登場してくるのか、楽しみである。
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