保険市場を脅かすビックデータ系スタートアップ

保険市場を脅かすビックデータ系スタートアップ

既存保険会社が直面するトレンドの変動

UberやAirbnbの成功が物語る、シェアリングエコノミーのトレンドから見ると、ユーザーはこ れまでの資産の長期保有から資産の貸し借り、消費に移行している。既存保険会社はこれま で、長期にわたって、ユーザーが物や人にマネーを積み立てるモデルによりビジネスが成立し てきた。そのため、現在のトレンドである物、労働力をシェアし、消費するユースケースに対 応できなくなっているのだ。ユーザーが待ち望んでいるのは必要時にスマホで保険商品を選択 して数秒で保険契約が完了する世界である。

保険業界を脅かすスタートアップ紹介

1)Biobeat

Biobeatはスマホ、ウェアラブルデバイスなどの様々な端末より社員のデータを集め、機会学習により社員の健康状態をトラッキングするサービスである。

2)cover

手持ちの端末で写真を撮影、その画像を同社に送信するだけで保険の見積もりをしてくれるサービスである。またユーザーから集めた画像を機会学習によってより正確な保険価格を精査する。現在は外部保険会社に保険サービスを委託しているが、今後自社内で保険を提供する予定である。

3)Metromile

Metromileは車が実際走った距離だけ保証、請求される自動車保険サービスである。端末機を無料で設けられ、それを車内に設置する事により走った距離が計測される。現在Uberをパートナーとして活動、タクシー事業をターゲットにサービスを提供している。今はまだ一部の州のみ提供。

4)Oscar

Oscarは、個人向け保険サービス。Affordableな保険を提供するべく、会社から保険を受けていない人、MedicaidやMdeicareに属する人達中心の保険。医療機関と提携し、その人に合ったドクターや薬局を紹介してくれる。

5)Trov

今年、サービス開始された自身の所持品に対する世界初のオンデマンド保険契約アプリケーションである。幅広い種類の物に対して短期間から保険をかけることが可能。元々は中古品の価格調査アプリを運営していたため、そこに集まった情報から保険料の算出を行っている。

ビックデータを制する企業が保険市場を制する

健康管理用ウェアラブルデバイスであるFitbitが今月、FINTECH市場期待のスタート アップであるCOINを買収した。同買収により、Fitbitが今後金融市場に参入することは 明らかである。Fitbitと聞くと単なる時計付きの万歩計と考える者も少なくないだろ う。しかし、Fitbitは歩数、段数、距離、睡眠時間、良睡眠時間、心拍数を測り人間の 健康状態、寿命に関わるビックデータを入手している。このようなビックデータは今後 保険料を適性審査するために必要不可欠な情報となるだろう。FitbitやApple Watch、 Angel Sensor、その他ウェアラブルデバイスによってビックデータをより多く入手し たユーザーほど保険の料金が適正に審査され、保険料が安くなるという未来もそう遠く ない。ビックデータを制する企業が保険市場を制するだろう。

 

 


REPORTER/@tomura

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