日本人として世界で勝つため常に挑戦したい〜ある日本人女性に出会って〜後半

日本人として世界で勝つため常に挑戦したい〜ある日本人女性に出会って〜後半

シアトル大学で順調に学生生活を送っていたある一人の女子大生が、大学を辞める事に。その後の彼女の人生は?後半は主に彼女のインターンシップについて語ってもらった。

質問)再スタートはどうされましたか?

シアトルでの4年目はSeattle Central Collegeというコミュニティーカレッジでの再スタートとなり、リベラルアーツ系とビジネス系を履修していました。その頃姉が母校であるシリコンバレー中心に位置するビジネス大学、Menlo Collegeを訪ねるというので付き添った事が、人生の転機になりましたね。その際父親と3人で大学カウンセラーと話し、現状を伝えた所、うちの学校に来ないか?と言われたのです。「こんなに私を助けてくれる学校があったのか!」と感動し、その後アプリケーションを提出し無事編入できました。コミュニティーカレッジでの成績が良く、GPAがかなり上がった事が合格にも結びつき、ビジネス系を履修していた事も手伝ってメージャーはInternational Managementを選択しました。一人暮らしを始め、全てリセットしましたね。

質問)今回のインターンシップはどのように決まりましたか?

就職も視野に入れるとインターンシップは絶対ですよね。姉も住んでいるシリコンバレーはビジネスの聖地。世の中の動き、人の動きを知りたいと常々考えていました。そんな折、学校からのツアーでインキュベーターであるPlug&Playの見学に来たのです。スローガンであった”Silicon Valley in the box.”様々な国のスタートアップが切磋琢磨しているこの場所に一目惚れしてしまったのです!「インターンシップがしたい!」そうなった時に、履歴書はひつこく送りましたね。学校から実際インターンした先輩や学校の情報をもとに様々なコネクションを駆使して。ウェブはもちろん、ツアー中に施設の中心人物にも声をかけてアピールしました。ようやく電話面接(1対1)になり、その後面談へ(2対1)。無事採用通知を受け取る事ができました。

質問)インターンシップの内容と、得た事を教えてもらえますか?

EIR(Executive in Residence)コーディネーターとして働いていたのですが、スタートアップのトレンドがよく分かりましたね。個人的にはSNS系が気になりました。インターンシップ中は、International Backgroundを含む5教科を週3回、8時から13時まで4〜5人で受けました。その後実務は週5日8時〜17時。仕事内容はスタートアップのためのInternational Acceleration Programに関わる全般です。マーケットリサーチ、ロジスティックス、コーディネーター的な仕事もします。世界20カ国の”Startup Ecosystem”について調べたりもしました。International Government Agencyでは政府がスタートアップに補助金(滞在費や旅費)を出す機関を中心に仕事をしていました。国際政府機関のパートナーを探すべく、国別のスタートアップイベントについてリサーチし、実際に参加してスカウトもしていました。その際、ネットワーキング力はIT業界の命と言っても過言ではないことを再確認しました。私の上司はスカウティングをしていて、Selection Dayに30社くらいを選抜してExpoに連れてくるのが仕事でした。3000社の中から選ばれて30社が3ヶ月に一度開催されるExpoに参加させるのが目的です。こうして国を代表して選ばれたスタートアップのサポートも仕事の一つ。今回実際に私がいる間に担当した企業が優勝するという結果になり、本当に嬉しいです。

そして彼女は昨年12月に卒業を迎えた。

「日本人として世界でどれ程対等に働けるのか常に試したい」

シリコンバレーから舞台はアメリカ、そして世界へ!ここをスタートにしたいと語る彼女の未来は明るい。これからの彼女の活躍に期待したい。また、このようにチャレンジングである日本人女性がどんどん増えて欲しいと願う。


追記:今回は全面的にサポートされているお父様も一緒にお会いした。娘の職場や仲間を知り、満足されたお顔でパーティーを楽しんでいらした。アメリカで活躍する娘の為に、何も言わず日本で頑張ってらっしゃると後から話を聞いて、ただただ尊敬。同じくアメリカの教育を子供達に受けさせている私に対し「とてもいい事だと思いますよ。」と言ってくださった。これほど勇気の出る一言はない。親として出来る事。改めて考え直すきっかけとなったことに感謝をさせて頂きたい。