シリコンバレーで、女性として稼ぐということ – シリコンバレーとセクシズム <前編>

シリコンバレーで、女性として稼ぐということ – シリコンバレーとセクシズム <前編>

 パソコンと仕事関係の書類を肩に掛けて彼の前を通ったとき、こんなことを続けるにはどれだけ図太くならなくちゃいけないんだろうって思ったわ。私は雇われて働いているんじゃなくて、自分で会社を経営しているの。いつも通り始まったあの土曜日、私はファーマーズマーケットで買い物をしてからオフィスに入った。多くのスタートアップ設立者のようにもう永遠に終わらないかのように思えるたくさんの仕事をこなすためには、週末も働かなくちゃいけないんだから大変よ。

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 私はその春にAndroidアプリをリリースしてから、自分たちは投資家に交渉する準備が出来ていると思っていたわ。私たちのアプリは52カ国でダウンロードされていたし、シリコンバレーの多くのスタートアップが持っていないようなサポーターの基盤も、収益もあったんだもの。

 私のスケジュールは普通より多忙なものだった。あの日2杯目のラテをすすりながらメールを書いて、その内の1通に「もちろん。会って話そう。今晩、僕の家で!」って返信が来てね。彼の家に行く前に、一旦家に帰って着替えて、髪を結んで、メイクもプロ意識以外の間違った印象を与えないようなものであることを確認した。彼の奥さんも家にいることを想定すると、ふたりに誤解して欲しくなかったの。

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 でも、気を配る必要は無かったみたい。奥さんもいなかったし、私が用意してきた書類も必要なかった。

 少し話した後、彼は私の横に座って、私が疲れているように見えるって言ったの。ワイングラスを置いて、肩をマッサージするために近づいて来たわ。彼が近寄って来られないように足を組んで、ソファの角に寄りかかってみたんだけど・・それでも彼は寄って来たのよ。

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 起き上がって、部屋の反対側に向かって歩いた。彼が何か悟ってくれたらいいなって思いながら、ビジネス関係のミーティングで、どれだけよく男性が私を口説いてくるか教えてあげたの。

 「うん、それは大変だね。この狭いコミュニティの中じゃ、君は何も言えないしね。」って彼は言ったわ。多分自分が同情しているように見せたかったんでしょうね。

 もし、私が文句を言うこと−もしくはすぐそばで眠っていた子供たちを起こすようなこと−を選んだとしてもね、彼の地位や財産を考えると、私の言うことなんて誰が信じてくれるかしら?結局私が帰るまで続いたし、このケースだと私ももっと何か出来ることがあったのかもしれない。でもね、私が男性社会で生きることを選んだからには、性差別だって日常の一部なのよ。

Group of businesspeople having a meeting.

 私たちの事業計画を聞いたあと、彼は私のことを知るためにもっと一緒に過ごしたいって言ってきたわ。言葉を切らすこと無く彼は新しい妻を探していると続けて、彼と結婚すれば得られるもの、例えばサンフランシスコにある4億円のアパートなんかを自慢してきた。それで私はいつも通り、エゴを傷つけないためにそっと話題を変えようとしたの。

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多くのサクセスストーリーを生み出している反面、人種や性における多様性の乏しさを度々指摘されてきたシリコンバレー。 ほとんどの職場でマイノリティーとなっている女性がより活躍しやすい社会にするために、私たちには何が出来るのだろうか。また、実際にシリコンバレーで働く女性は、日々どのように感じているのだろうか。来週投稿予定の後編では、ここで自身の経験を語ったキャリアウーマンがそこから感じたことを中心に語りはじめる。

http://www.forbes.com/sites/jeffbercovici/2014/08/07/what-its-like-raising-money-as-a-woman-in-tech/