うさんくさくない(多分)エリート像

うさんくさくない(多分)エリート像

発売からわずか2ヶ月で5万5000部以上の売り上げを記録した『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』。この本の著者であるピョートル・フェリークス・グジバチ氏は、ポーランドで生まれドイツ、オランダ、アメリカで暮らしたのち2000年に来日、その後2011年よりグーグルで働き始め、現在は独立して2社を経営している。同記事では同氏が語る、ニューエリートとは果たして何なのかを追求する。

真のエリート人材とは

同氏は同書の中で、将来経済が発展し、ベーシックインカムのような制度が導入され誰でも働かずにお金や食べ物が手に入って、住まいが確保されるような、お金が成功の指標から外れた時代がくる時代には

 

”大きな社会的問題を解決し、より多くの人を巻き込める人材”がより評価されるエリート人材であると予測している。つまり、ビジョンがない単なる資産家や有名人は称賛されるに値しないということである。

全米の若者が崇拝する起業家 

例えば、ペイパル、テスラ・モーターズと2社上場を果たしている連続起業家のイーロン・マスク氏は、2002年に人類を火星に移住させるというビジョンを描き、Space Xを創業する。当初は民間企業が宇宙開発をすることに多くの研究者が揶揄し批判していたが、2015年には、同社は世界初となる衛星打ち上げロケットの垂直着陸を達成している。また2020年には人類は容易に宇宙に移動できるようになると助言している。

 

そんなイーロンマスクは今ではスティーブ・ジョブズを超える起業家と評され、全米の起業を志す若者たちが最も崇拝する、真のエリート人材であるということに間違いはない。

 

ニューエリートは日本にこそ必要な人材

 

1995年以降、日本ではいくつかの衝撃を与えるIT企業が生まれた。しかし、それらの企業はゲーム事業やメディア事業に止まり、世界市場で通用する人類の課題を解決するような企業は生まれなかった。同書で述べられている、多くの人を巻き込み、社会問題を解決する人材こそが、現在の日本に必要な人材ではないだろうか。

本気で「周りの人から幸せにしたい」と心から思い、それを仕事にする。そのような企業が日本にこれから増えることを私は願ってやまない。また、5年後、10年後私がこの記事を読んで、私自身がこの思いを大切に保ち続けられるよう日々、精進していきたいと思う。