伝説的ハッカーの未来型自動運転車 comma.ai

伝説的ハッカーの未来型自動運転車 comma.ai

近年、自動運転車市場はさらに加熱している。Googel や Uber を初め、主要自動車企業が自動運転テクノロジーに着手し、同市場のスタートアップも多額の資金を調達している。そんな中、comma.ai は昨年10月の立ち上げ以来急速に前進しており、注目を集めている。

comma.ai の創設者であり、CEOであるジョージ・ホッツは17歳にして初めてiPhoneの脱獄に成功した伝説のハッカー。ホッツによると、開発中の人工知能ソフトウェアおよび消費者向けのカメラは低価格でどんな車でも自動運転システムを実装することができるようだ。

そして4月、ライバル企業として対抗している Tesla から、シニア・エンジニアを迎え入れた。リッカルド・ビアシーニは制御担当チームの責任者に就任し、AI(人工知能)ソフトウェアの命令を自動車に伝える機能の開発に携わる。

ホッツは昨年、Google や Teslaに対抗したいとメディアに発信し、世間の反感を買った。Tesla は一個人や中小企業が、膨大なリソースを必要とする自動運転システムを作り上げることは難しいだろうとコメントした。

ホッツは、車線維持アシストや緊急停止システムを搭載したADAS(先進運転システム)の車載キットを開発している。完成すれば、今まで聞いたことが無いような素晴らしいものになるだろうと語る彼は、現在 Tesla にADASを提供しているイスラエルの Mobileye の技術を上回ることを掲げている。

サンフランシスコの自宅ガレージでAIを搭載した自動運転車を公開

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昨年の11月下旬、ホッツはサンフランシスコの自宅ガレージでAIを搭載した自動運転車を公開した。Honda Acura に自動運転システムを実装し、6台のカメラやレーダーを搭載したデモカーを走行した。自宅を訪れたアシュリー・バンスは彼の開発した自動運転車に乗車した体験を以下のように綴った。

三角形の電気機器が、ジョイスティックが位置する所にある木製のボードに付属されており、21.5インチのスクリーンが設置されていた。ホッツは、「Teslaはたった17インチのスクリーンなんだ」と言った。どうやら彼は今までずっと自身で取り組んできたプロジェクトを披露するのが待ちきれないようだ。私たちは車の周りを回って様々なテクノロジーを見た。Linux オペレージョンシステムを基にした車のコンピューターを稼働させると、膨大な数字列がスクリーンを埋め尽くす。そんな調子で20分ほど経つと、私の懐疑心を察したのか、ホッツは、「しょうがないな」 と言い、エンジンをかけた。「行こう。」

「これ持ってて。」 カレージから出発する前に彼は私の膝の上にワイヤレスキーボードを置いた。「でも何も触らないで、触ったら死ぬからね。」 ホッツは、彼の自動運転車設定は忙しい市街での運転ではなく、Teslaの自動操縦のように高速道路向けだと言った。私たちはホトレロヒル地域から州間高速道路280へと走行した。

まだハンドルを握ったまま、Acura のレーザーレーダーがダッシュボード上に周囲の物体画像を映し出す。青いラインが進行中の道、緑のラインが自動運転ソフトウェアが推奨する道筋である。二つのラインが上手く適合しているため、テクノロジーが正常に機能していることを示していた。ホッツはついにハンドルを離し、自動運転モードを始動するべくジョイスティックのトリガーを引いた。S字のカーブに入りかかり、時速104キロで走行している時だった。彼は「車よ!大丈夫!お前ならできる!」と叫んだ。私はただ黙祷を捧げた。

車は、正常に作動していた。一つ目のカーブも、二つ目のカーブも、正確に走り抜けた。だが急に、車体が右隣のSUVに向き接近し始めた。私はもう父を亡くしてしまうであろう自分の子供のことを考えた。しかし、車は自動で修正した。私は驚きながら、ホッツに初めて自動運転に成功した時の気持ちを訪ねると、彼はこう答えた。「おいおい、初めて正常に稼働したのは今朝だけど。」

次回は、非凡な頭脳と功績を持つ26歳の伝説的ハッカーの素顔にクローズアップする。

 

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