この時期の高校生は、大学願書をクリックし終わり結果を待つのみ。そんなシリコンバレーの高校生の間では珍しくない、プライベートカウンセラー。日本の場合、カウンセラーがついていると言えば、マイナスイメージとなるだろう。ところが、ここシリコンバレーでは多くの中高生が各自カウンセラーを雇っている。一体彼らの仕事は何なのか?その内容に迫ってみた。

アメリカの大学入試は日本に比べると簡単だというのが通常の感想だろう。果たして本当にそうなのだろうか?確かに日本の大学入試はセンター試験一発勝負というところもあり、かなりの時間を勉強に費やす。失敗したら浪人という道しか無い。したがって中高時代には一切部活や課外活動をせずに勉強だけする学生も多いだろう。とにかく必死に過去問を解いて、模試を受けて、合格を目指し勉強する。

一方アメリカの場合、テストは一回きりではなく、何度か受験できるうえに教科も選べる。また、過去に受験したうちの一番いい成績を提出できる。そして点数はあくまでも基準であり、足切り点な訳でもない。総合的にその生徒を見て合格を決めるからだ。高校の成績だけではなく、部活動、課外活動、ボランティア活動なども含むので、ただ成績が良いだけでは合格できないのが現状だ。

そうなると、何を基準に合格を決めるのか?このあたりが曖昧になってくる。もちろん高校でも大学進学説明会は日本より多く開催しているし、カウンセラーも数名いる。資料も沢山あるし、高校には大学進学を補助するサイトもある。しかしながら全ての生徒に満足する内容ではない。国籍も違えば、家庭環境も違うシリコンバレーの学生達にとっては、特に個々にアピールポイントが違う為、日本のように予備校で一斉に勉強して合格者を出す方法では太刀打ちできない。そこで必要となるのがプライベートカウンセラーである。

彼らの仕事内容は家庭教師的な事を含む場合もあるが、以下が主な内容である。

受験までの総合援助

アメリカの大学受験は主に11月。この時期迄に必要な事項全てをサポートする。中学生であれば、高校でいつ、どのような授業を選択したらいいのかを提案。部活、課外活動、そしてボランティア活動までも提案する場合もある。いわば人生相談にのってくれる、親以外の大人という存在である。出願書類も手伝ってくれるが、あくまでも仕上げるのは本人。

出願先の大学選択援助

アメリカの大学は、年度によって制度や授業料や合格傾向などが大きく変わる事もある。また州によっても内容が大きく変わる。奨学金ひとつとっても数種類あり、それを全てうまく組み合わせようとすると、素人ではなかなか難しい。殆どのカウンセラーは勉強会や説明会に参加しており、その知識を活かし、受験生により適した大学を提案してくれる。

SAT, ACTなどの標準テストの準備

年に数回受験できるので、いつ頃スタートするべきかも含めて計画をたててくれる。また攻略方法も含めて家庭教師してくれる場合もある。

エッセイ補助

日本と違い、大学受験には殆どの場合エッセイの提出が必要となる。もちろん高校でもエッセイの書き方について講習があるが、ざっくりとした内容になってしまう。個人的にアピールしたい点は違うので、プライベートカウンセラーを一番必要とする分野だろう。じっくり話をして、どのような人生を送りたいのか?それに向けてどのような大学に行けばいいのか?その為に今何をしてきているのか?このような事も含めてエッセイを仕上げる所まで補助してくれる。金銭的な事を考えると、エッセイ補助だけをお願いする場合も多い。

自己査定補助

エッセイを書くにあたっても、大学選びをするにあたっても、自己査定がきちんとできていないと何も進まない。カウンセラーと話す事で、自分を客観的に査定できる。

契約については、いつスタートしても一律値段は同じ。同じであれば早くから始めた方がいいというので、8年生(日本で言う中学3年生)からカウンセラーをつける家庭も多い。主に中国人やインド人家庭の利用者が多かったが、現在では比較的高所得の家庭でも利用している。利用している生徒としていない生徒では、大学選択の範囲が変わってくる。(私立大学受験を提案され、受験する割合が高い)

一番の利点は、親の意見ではなく子供の意見が反映される事だろう。親に相談しても、「○○大学でないと、大学とは言えない」、「私の卒業した大学に行きなさい」、「医者や弁護士になりやすい大学に行きなさい」など、親の勝手な意見に振り回されることが比較的少ないだろう。もちろん「子供をいい大学に入れたいから、カウンセラーをつけた」という親もいる。それでもカウンセラーは基本的に子供と一対一で話すので、親の勝手な希望は通らない。

 

気になるのがその金額だ。1時間平均的な金額は$150 ($150×¥120=¥18,000)。おおよそ10年程前までの総合計は$3,590~$4,035だったものの、その後ニーズと共に値段があがり、平均 $4,750、およそ50~60万円を費やす。最高では$100,000~$200,000(約1200〜2400万円)かける家庭もある。大学願書出願までを期間とするならば、早めにスタートした方がお得というのも納得がいく。

 

ちなみに以下が子供達の通う公立高校(全米454位)の主な進学先

卒業生約500名 進学先

University(national ranking)

Stanford University(4) 1名

Gonzaga University(4) 1名

University of Chicago(4)  2名

Columbia University(4) 3名

Massachusetts Institute of Technology(7) 1名

Duke University(8) 1名

Johns Hopkins University(10) 1名

Northwestern University(12)  3名

Cornell University(15) 3名

UC Berkeley(20) 19名

UCLA(23) 7名

Tufts University(27) 1名

New York University(32)  2名

UC Santa Barbara(37) 8名

UC Irvine(39) 4名

UC San Diego(39) 5名

UC Davis(41)  14名   

Boston University(41) 1名 

University of Illinois, Urbana-Champaign(41) 5名

Northeastern University(47) 1名

University of North Georgia(53) 1名

University of Connecticut (57) 1名

 

College(national ranking)

Wellesley College(4) 1名

Harvey Mudd College(14) 1名

Lafayette College(37)  2名

Centre College(45) 1名

Wheaton College(57)  1名

 

U.S.News & World Reportより

http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges

 

この中でどれ程の生徒がカウンセラーをつけていたのか把握できていないものの、上位校進学率が高いのは事実。シリコンバレーでは、もっと進学率の高い高校も多く、殆どの生徒がカウンセラーをつけている場合もある。

 

カウンセラーを雇うにあたって金額は気になるものの、親以外の大人が真剣に自分の将来を考えてくれるシステムは非常に興味がある。通り一遍等の意見ではなく、自分だけのためにアドバイスがもらえる。大人になったら何になりたいのか。その夢の為には何をすればいいのか。高校生の頃から考えていれば「かもしれない症候群」、いわゆる就活で勝ち取った正社員の道を「合わないかもしれない」と早々に退職することで閉ざしてしまうことを防げるかもしれない。

 

今後日本も大学入試が大きく変わる。その際に新しく”プライベートカウンセラー”のニーズが出て来るかもしれない。

 

プライベートカウンセラーを見つけるサイトの一例

Screen shot 2016-01-30 at 12.29.57 AM

 

http://www.sveconsulting.com/ 

 

 

 

Screen shot 2016-01-24 at 12.55.31 PM

http://www.ivywise.com/ivywiseteam.html

 


Screen shot 2016-01-24 at 12.59.05 PM

https://www.ivycoach.com/college-counselor/

 

参考サイト

Stanford magazine

https://alumni.stanford.edu/get/page/magazine/article/?article_id=40308

 

The Atlantic

http://www.theatlantic.com/education/archive/2015/12/silicon-valley-college-consultants/419538/

 

CNBC

http://www.cnbc.com/2014/11/10/is-a-college-planner-really-worth-it.html

 

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