日本でも6月6日に公開の映画「トゥモローランド」には、『夢をみよう。大きな夢を。何にも負けない夢を。たくさんの夢を。』というとてもわかりやすいメッセージが込められている。しかし、現実は夢を追うか、それとも砕け散るかである。
映画の中では、今日の世代は、若い人も大人も安定した生活を望みがちであると主張されている。世界で何かが起こるのを、私たちはただ見ているだけであると。しかし、本当はそこには希望がある。映画の作家兼監督であるブラッド・バード氏たちは、ウォルトディズニーが残した遺産の中に夢を追いかけ続けるための鍵を見つけたようである。バード氏は語る。「私はウォルト・ディズニーに関する本をほぼ全て持っており、彼の視点がこの映画には染み渡っている。人々は、きっと映画がディズニーランドのトゥモローランドと呼ばれる場所に関するものであり、その気配を感じているはずだ。しかし、それはほんの気配にすぎない。この映画は「トゥモローランド」というこの言葉が私たちの心に呼び起こす感覚なのである。この言葉はウォルトが未来と未来への挑戦に抱いていた精神から導き出されたものなのである。そして彼はその言葉に常にわくわくしていた。なぜなら、それは私たちが壁にぶち当たっても、打ちのめそうとするものではないからである。彼はそのトゥモローランドという言葉の中に喜びを見出した。未来は挑戦である。しかし、それは楽しいものであり、わたしはその観点が好きなのだ」と。
ディズニーは、映画中のキャラクターではない。だが、彼の残した思いが映画中の冒険でたくさん見られる。この映画は1964年の大博覧会での「イッツ・ア・スモールワールド」の展示場面から始まる。この場所は、ディズニーランドの中のアトラクションの一つとしてもよく知られる。
バート氏はディズニーに会うことは決してなかった。しかし、アップル社のスティーブ・ジョブスが彼の非現実的な哲学を表現したとバート氏は言う。例えば、テクノロジーの抜け目のない芸術美的価値を想像するとき、彼の想像力は無限だった。また、1986年にジョブスが50万ドルをピクサーに投資した時、彼にはなぜか無限を超える想像力の余地があったという。ちなみにバート氏は、ピクサーで映画「ミスター・インクレディブル」と「レミーのおいしいレストラン」の監督をした。バート氏は、ジョブスにはディズニーが生み出したものに対する偉大な尊敬が見られたと言う。またバート氏は語る。「ピクサーはジョブスがディズニーに関係するきっかけとなったものの一つである。彼は、前ウォルトディズニーカンパニーCEOのマイケル・アインスターとうまく関わったが、アインスターがディズニーに特に敬意を表していたとジョブスは思わなかっただろう。しかし、現CEOのボブ・イガーはそうであるとジョブスは感じていた。ジョブスは、グラフィックデザイナーであるポール・ランドなど、様々な先駆者たちの影響を受けた。また、多くのアップル製品が現代アート美術館の永久デザインコレクションに並んだ時、彼はとても喜んでいた。なぜなら、彼は製品をデザインとして見ていたからだ。アップル製品は芸術作品であり、とてもシンプルでありながら、シンプルであり続けるにはあまりに難しく、また洗練されたものなのだ。それがスティーブの成し遂げた偉業の一つだとわたしは思う。」
ジョブスとディズニーは両者とも、製品とアートは一つであり同じものだと信じていた。大ヒット映画の製作者として、バート氏はその彼らの哲学に元づいて生きている。「ディズニーは主流でありふれたものであるとよくみなされるが、そのようなことを言う人達は彼が成し遂げたことを、夢見たことを、本当は分かっていない。」とバート氏は語る。
http://www.esquire.com/entertainment/movies/a35151/steve-jobs-walt-disney-tomorrowland/
ウォルト・ディズニーはディズニーランドの創造者であり、多くの夢を世界中の人々に抱かせた。スティーブ・ジョブスは、アップル社の創造者であるだけでなく、ディズニーの映画会社ピクサーの創造者でもあった。アップル製品を手に取る時、ディズニー映画を見るとき、ウォルトやジョブスが作品の中に込めた思いを味わっていただきたい。また、映画「トゥモローランド」を見て、未来への希望を、夢を抱いてはどうだろうか。