前回のスタンフォードのd.schoolで私が学んだことに続き、第2弾
今回は“マシュマロチャレンジ”というものを行いました。
ルールは簡単。
20本のパスタ、テープ、紐、マシュマロを使って、できるだけ高い塔を建てるゲーム。ただ難点なのが、マシュマロをその塔のてっぺんに乗せないといけないこと。マシュマロは意外に重いので、いかに丈夫に倒れないようにパスタを組めるかが鍵になります。4−5人のグループを組んで、18分という決められた時間の中でグループごとに競い合いました。
完成図の例
これが意外に難しい。
どういう風に塔を組み立てるか、どういう基盤を作れば一番頑丈か、紐はどう使うべきか、など話し合っていたら、18分なんてあっという間にすぎてしまいます。
<結果>
このグラフはd schoolの学生たちによるマシュマロチャレンジの業種別のリサーチ結果。平均が20インチで、CEOグループと法律専攻グループは比較的平均に近い結果を残しています。ダントツの一位はもちろん建築専攻のグループ。しかし一番驚くべきことは、ハーバードなどのビジネス専攻の学生よりも、幼稚園児の方がはるかに成績がよいこと。なぜでしょうか?
この図は、18分の間に、ビジネス専攻の学生と幼稚園児がチャレンジの最中に、何回実際にマシュマロを塔のてっぺんに乗せたかを表す図。
ビジネス専攻の学生は、ほとんどの時間をいかに丈夫で完璧な塔を組むかによる戦略会議、つまり計画に費やし、最後の最後にマシュマロを乗せてみると、思うようにいかず塔が倒れタイムアップ、結果0インチというケースが多かったようです。それに対して幼稚園児は、かなり最初の段階から何も考えずとりあえず塔を組み立て、マシュマロを実際に乗せていることがわかります。もちろん最初から成功はしないので、試行錯誤を繰り返し改良を重ねていきます。その結果、終了時間がくるころにはほとんどのチームがある程度の塔を立てることに成功しているのです。
つまり大事なことは、手を動かしながら考える、ということです。綿密な計画も時には必要ですが、ほとんどのことは実際にやってみなければわかりません。思い立ったらすぐに手を動かして作ってみる。そうすることにより、見えていなかった問題がわかり、成功までの筋道がより明確になります。この“Just do it”の精神はd.schoolが最も大切にしていることの一つだといえるでしょう。