アメリカ最大手タクシー会社を倒産危機に追いやった男は正義か悪か | Hack Letter/シリコンバレー情報

アメリカ最大手タクシー会社を倒産危機に追いやった男は正義か悪か

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アメリカ最大手タクシー会社を倒産危機に追いやった男 は正義か悪か

・Yellow Cab倒産予告

先週、米国最大手タクシー会社、Yellow Cabが倒産予告をするニュースが全米を騒がせた。Yellow cabといったらNYやSFを舞台とする映画では必ずといって良いほど何度も登場する所謂、観光名物のようなものである。そんなYellow Cabがどうして倒産するのか、それは言うまでもなく、Uberなどのスタートアップの登場である。Uberといえば、時価総額6.61B、今やユニコーンと呼ばれるほど巨大企業であるが、創業されたのは2009年、つまり7年前には形もなかったような企業である。

・シリコンバレーでの起業家の立ち位置

シリコンバレーで起業家は、時にSocial Contributor(社会的貢献者)と呼ばれ、時にSocial Disrupter(既得権益を破壊する者)と呼ばれる。つまりSocial Contibutor≒Social Disrupterなのである。

UberのCEOであるTravis氏は起業するためにUCLAを退学、その後Scourという検索エンジンのスタートアップを創業。2年後惜しくも大手企業から特許侵害で訴訟を起こされ、会社を倒産させるも、2年後にはRed Swooshという新たなスタートアップを創業し、Exitさせている。その後エンジェル投資家としても活動し、複数のスタートアップのExitに貢献、2009年にはご存知の通り配車サービス、Uberを創業する。そんなTravis氏は誰もが認めるシリコンバレーを代表する連続起業家である。Social ContributorでありSocial Disrupterである。

ここで本題に移りたい。Uberというサービスは結論からしてYellow Cabという大手タクシー会社を倒産させるほどのシェアを獲得したのだが、それは正義か悪かという話だ。

・Uberのユーザー聞いてみた

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 Uberユーザー50人に調査を行ったところ、過半数がこれまで米国でタクシーを使用したことがないと答えた。つまり、半数以上のユーザーはUberの到来によって配車サービスを利用することとなったのだ。ではタクシーからUberに乗り換えた数名のユーザーにどうしてUberに乗り換えたのかを聞いてみると、これまでタクシーを利用して言葉が通じず(運転手が英語を話せない理由で)、行き先を間違えることが多々あったことや、メーター設定が不確定でボラれたことがあると言った理由である。いずれの理由にしてもユーザーxドライバー間の問題でUberに乗り換えているのだ。

・Uberのドライバーに聞いてみた

PrintまたUberのドライバー50人にドライバーをする前はどんな職業についていたのか調査したところ、会社を経営していた者や、会社でリストラにあった者、学費を稼ぐ学生など多種多様であった。中には、現スタートアップの経営者で、ユーザーとして乗車してくる投資家とコネクションを作るためにUberドライバーをしているという者もいた。

そこで月に一体どれほど儲かるのか、遠慮なく聞いてみた。

 

・Uber/yellow cabの給料比較してみた  

調査したドライバーの平均をとると週5回Uberを朝から晩まで行い(働く時間はサラリーマンと大体同じ)月に60万~70万の利益がでるとのこと。続いてYellow Cabの運転手に聞いてみたが、月に稼ぐ金額は20万-30万円。なんと3倍近く運転手の給料が異なるのだ。タクシー運転手までもがUberなどの配車サービスに乗り換えることも少なくないという。

Uberはユーザーが運転手の評価を見ることができ、顧客満足度が高い運転手を選ぶことができる。顧客満足度は運転手にとって極めて重要で、評価を上げるために水や食料を無料で提供したり、中には稼いだお金でより良い車を購入する運転手までもいるのだ。またユーザーも運転手によって評価され、評価の高いユーザーの方が評価の高いドライバーを選べる仕組みになっている。

 また、UberはMetromileを使用しており、運転した走行距離に比例して保険料が決まり、さらにはUberドライバー中の業務用自動車保険とプライベートで使用している際の普通自動車保険が自動的に切り替わるようになっている。自家用車を使用するUberドライバーにとっても安心してUberドライバーを行うことができる。

Uberもタクシーも結局は配車サービス、ユーザーにとっては値段もさほど変わらない。ではなぜ、Uberがタクシー市場をたった数年で占有したのか、それはユーザー、そしてドライバーの相互満足度を高めることを怠らないそのサービスの姿勢ではないだろうか。

 

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・革命の中心にはいつもテクノロジーがある。

Uberをテクノロジー企業というと怒られるかもしれないが、これまでのタクシー会社には難問だったユーザーとドライバー、そして企業の満足度を相互に向上させるUberというサービスは技術革新が生み出した、一つの新しいコミュニケーション手段だと言えるだろう。Uberはタクシー業界のこれまでの問題を解決し、配車市場を確実に成長させたのである。

Travis氏はこれまでのタクシー市場をたった数年で変革したSocial Disrupterであり配車市場を成長させたSocial Contributorである。

日本でこのような社会起業家が生まれないと嘆く方がいるが、正確には成長しにくいが正解だと思う。3年前、Uberが今日ほど知られていなかった頃に、私の知人がUberと同じような配車サービスを製作した。しかし、既得権益からの圧力によりサービスをリリースしてすぐにピポッド、今では名前もサービス概要も大きく変わっている。日本ではどうも起業というワードがクリーンに使われないことがある。Social ContibutorSocial Disrupterというこの概念を、規制をつくる既得権益の方がより理解することで、より明るい明日を私たちは見ることができるのではないだろうか。

 

起業家は正義だ。

 

tomura/@tompika5017

Special thanks to @serena for correcting my report.

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About Author

Hikaru Tomura

ceo of hackjpn/ シリコンバレーに移住して5年が経ちました。ここではシリコンバレーでしか得られない情報を掘り下げて発信していこうと思います。

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