10章 物流の場所と開発

10章 物流の場所と開発

場所(Place)の目的

①   製品のカテゴリー:それぞれのカテゴリーにおけるニーズに答えた販売方法

②   製品プロダクトサイクル:その製品のサイクルがどこにあるかによって、販売場所を設定

直接配送か間接配送か

直接販売するのか、間を通すのか?

①   ホールセール、リテール、ディーラー、ディストリビューター、エージェントの違い:どこを通して販売をするのか

②   いつ、どの段階で利用するのか

ネット時代になり、直接販売が容易になっている。小さな会社でもウェブを利用して販売可能な時代。直接販売の利点は、顧客データが集まるだけでなく、顧客の購買履歴などが手に入り、今後の商品開発などに活かされる。一方、顧客によっては全ての部品が揃う(Home Depotのような)場所に買いに行くので、小さな部品を扱う企業の場合、間接販売が効果的な場合も。

物流経路の関係

4つの再編成活動

①Accumulating(蓄積):小さな農場などから商品を集めて販売。

②Bulk-breaking(小分け):大きな工場→卸→店舗というように、大量の製品をより小規模な販売先へ

③Sorting(分類):違うターゲットへの販売。例えばコンビニと大型スーパーでは、取扱商品も、商品サイズも違うので、それぞれに合わせた販売方法。

④Assorting(仕分け):混合。色々な販売経路を利用して販売。

伝統的な仕分けシステム

Vertical System(縦システム):ターゲットマーケットは様々。作り手と売り手の考え方の違い。新製品ゲームショップで中古品を売ると、売上が減少するかも?という理由などにより、違う方法による販売にする事。

Horizontal System(横システム): ある店では全ての種類の自転車が展示され試乗も出来て購入できるが、あまり種類も豊富でない、安い自転車をオンラインで購入しないかもしれない。

Vertical Marketing System(縦市場システム)

縦につながる。最終的ターゲット市場が同じ

①伝統的システム:企業数も少なく個別に販売

②管理システム:経済的パワーとリーダーシップのあるGE, Miller Beerなど

③契約的システム:フランチャイズなど契約を伴うマクドナルド、Holiday Innなど

④統合システム:一つの企業がオーナーであるFlorsheim Shoesなど

市場への広がり

①開放的物流:どこでも売れる、コンビニ等。ワンスポットに置いてもらう。顧客も少ない。例えば電池など、大型店舗に比べて少量で販売している。一番購入される場所。

②選択的物流:ある製品に特化して一番売れる場所。利益が上がりやすい。他と差別化された売り場。80/20ルール。全体売上の約80%が、たった20%の顧客によるものでしかないという法則。エスプリがアウトレットの4倍の売上だったのを、アウトレットを半分に減らし、ウェブサイトを設立したら売上が増加した。

③独占的物流:ある一定地域では1店舗のみが扱う売り場。これにより、価格設定をコントロール出来る。マクドナルドなどのフランチャイズが例。市場の競争が全く無くなる独占権に注意。

④マルチチャンネル的物流:全チャンネル化、多くの卸を介して最終的には同じターゲット市場へ。Walmartなどの総合スーパー

⑤返品物流:返品についてどうするのか?返品ルートの確認。

返品についてのアメリカ情報。日本と違って容易に返品出来るのがアメリカ。とりあえず色々なサイズの靴を子供用に買って、家で履かせてから不要な靴を返品などは普通。友人にプレゼントを買う場合でも、ギフトレシートと言って、返品もしくは交換してくれるレシートをつけてくれる場合も。日本では返品の理由も必要だが、アメリカでは全く説明の必要なし。強者は、買ったドレスをタグ付きのまま一晩着て、返品する場合も。このような事を防ぐため、最近では返品防止タグ付きの場合もあり。

一つの商品をとってみても、いろんなシステムを経て私たちの手元に届いているのですね。企業側も、ただ単に良い製品があればいいだけの時代ではないのです。ネットもあるこの時代において、販売経路によって売り上げは変化します。今まで何気なく手にしていた商品も、どこから仕入れられているのか考えてみると楽しく買い物出来るかもしれません。スーパーで時々見かける販売員さんに、声をかけて聞いてみても面白いかも?意外な場所から届いているかもしれませんね。