IT×教育では「革新」だけを求めるべきではない。「SAMR」を考えるべき

IT×教育では「革新」だけを求めるべきではない。「SAMR」を考えるべき

IT×教育では「革新」だけを求めるべきではない。「SAMR」を考えるべき

 

 

iPadsといったテクノロジーは教育上の問題を解決することができる、iPadsは教室の中で学習することから教室の外で学習するときや、生徒に計り知れない可能性を提供するときに使われる。たくさんの先生達は、デジタルネイティブの子供達がグローバル社会で競争に勝っていくために必要とされる4C(Communication, Collaboration, Critical Thinking, Creativity)と呼ばれる能力を手に入れるために、先生達はiPadsを使って、教室にテクノロジーを効率的に組み入れようとしている。

 しかし、それを実現させるには、アプリからコンテンツへと注意を傾けるべきだ。私の地域がiPadsを2012年に使い始めたとき、教師達は、すべてのコンテンツごとに革新的なアプリが必要だと考えた。そして、iPadsには何千ものアプリが導入されることになった。これは実に馬鹿げた話であり、管理するのが難しく、うまくいかなかった。しだいに教師達は解雇されることになった。

 

デジタル教育革命に適合するには、「SAMR」が大切だ。Tim Holtによって創られた次の絵がわかりやすい。

What’s the SAMR Model?

 

 

SAMRとは、Substitution(置換), Augmentation(増強), Modification(修正), Redefinition(再定義)

から成り立っている。スターバックスの例を使って説明しよう。

 

 

 

 

Substitution:代替

 

Substitutionとは、普通のコーヒーをスターバックスのコーヒーに代替することをさす。しかしコーヒーであることに変わりはない。つまり根本的に変化していないのだ。例えば、iPadで本を読むことや、Google DriveEvernoteでノートをとることがこれにあたる。これらは生徒の学習効果を高めるときもあるかもしれないが、テクノロジーと教育の統合という点で弱い。教師はテクノロジーなしでもできることをテクノロジーの力を使ってSubstitutionしているのにすぎないのだ。

 

 

 

Augmentation:増大

 

Augmentationでは、確かに、氷やシナモンを加えることによって味は少しよくすることができるかもしれない。しかし、コーヒーそのものを変えたわけではない。例えば、電子書籍では生徒は文字をクリックするだけで意味や同義語を調べることや、更なる情報を調べることができる。文字のスペルチェックをしてくれたり、フォントを調整してくれたりするだろう。

ほかにもイメージを加えることによって学習効果を高めることができるSkitchPicCollageもこれに当てはまる。ただし、これらのツールは学習効果を増大させることができるが、学習そのものを変化させるわけではない。

 

Modification:変化

 

Modificationでは、 augmented されたコーヒーにホイップクリームやキャラメルなどの添え物を加えることを指す。このレベルでは、テクノロジーは重要な問題の再設計を可能にする。例えば、 Google Driveを使えば、生徒はインターネットを通じて知り合った仲間に刺激されるだろう。 生徒は具体的なGaragebandを使ってプレゼンテーションのためのサウンドトラックを創ることができる。またiMovie Book Trailers, を創るためにiMovie App を使うこともできる。つまり、Modification はタスクを変更し、プロジェクトをパーソナライズすることができることを指す。

 

Redefinition:再定義

最後に、Redefinitionでは、 パンプキンスパイスラテを注文し、普通のコーヒーをスターバックスでしか買うことのできないものを買ったことを指す。つまり、テクノロジーの力なしでは解決できなかった問題をテクノロジー使うことで達成することができるようになることである。生徒は教室の中の友達だけでなく、世界中の教室の友達とシェアし、協力することができる。教師たちはハンググアウトを通してvirtual book club discussions に参加したり、 栄養について学ぶ為にVirtual Field Tripsを使ってホワイトハウスのキッチンを訪れたりすることができる。教師はもはや教室の垣根を超えている。同じように、生徒たちはMystery Skypesを使って批判的思考力や問題解決能力を伸ばし、Kidblogを通じて共同執筆を完成させ, Twitterのようなソーシャルメディアを通じて世界とつながっている。生徒たちもまた教室の垣根を超えている。

あなたの教室にも「SAMR」を取り入れるべき

ただし、私は、「SAMR」を深く学ぶにつれて、必ずしも redefinition を実現することが正解なのではないと気づいた。私たちは、普通のコーヒーが欲しいときもあれば、スターバックスでしか買うことができないパンプキンスパイスラテが欲しいときもあるからだ。本当に価値ある学習とは、学習環境のすべてのタイプを、1サイズに収めることはできない。情報革命の時代の現代において教師の役割は、急速に変化している。今こそ教師と生徒のマインドシフトのときなのだ。

あなたがどのようにしてテクノロジーを教室に組み入れようかと考えるときは、こう自分自身に問いかけてみるとよい。「この問題はSAMRモデルでは4つのうちどこに位置するものなのか?」と。

 

 

 

 

この文章はシリコンバレーの教育に特化したメディアedsurgeの人気記事を翻訳したものだ。これはアメリカでは教室にiPadsなどテクノロジーを持ち込むことを当たり前としたうえで、効果を最大限に発揮する方法を模索していることを示している記事だ。農業革命、産業革命に続く情報革命に対応するためである。

一方、日本はiPadsの必修を普及した学校が増えてきたといえ、まだまだ少ないのが現実だ。

 

 

もう少し「SAMR」について知りたいかたはこちらの動画がわかりやすい。

https://www.youtube.com/watch?v=rMazGEAiZ9c

 

翻訳元

https://www.edsurge.com/n/2015-02-06-a-guide-for-bringing-the-samr-model-to-ipads