今回から、2週間に1度、ある分野の中で資金調達をした企業の中から、ユニークなサービスや技術を持つ企業をピックアップして特集形式で紹介する。この記事では、2018年5月後半に資金調達をした米国発のAI関連の中から、PlusOne社についてレポートする。

 

さて、5月30日付け(米国時間)でTechCrunchに掲載された、『メアリー・ミーカーが選ぶ、見逃せないインターネットトレンド2018』(原題:Here’s Mary Meeker’s essential 2018 Internet Trends report)では、今年のインターネットのトレンドとして、”Voice”(音声認識技術)や”Education”(教育分野におけるインターネット分野の進出)と並んで、”Immigration”(移民)が挙げられた。

 

記事本文では、

“Immigration” : It is critical to a strong economy, as 56% of Top U.S. companies were founded by a first- or second-generation immigrant.” 

(アメリカのトップ企業のうちの56%は、外国からの移民や彼らの子供たちによって設立されたものである。移民は、経済の強化にとって極めて重要なのである。)

と述べられている。

今回ピックアップする企業、PlusOne社もその例外ではない。

 

PlusOne とは?

同社は、対人スキルや語学力など、従来は人が相手をして練習するのが一般的だった分野を、Mixed Reality(複合現実)とAI(人工知能)の技術でサポートするSmart Tutorというサービスを提供する。同サービスを、対人スキル向上を目的として利用する顧客のターゲットは、企業だ。以前は、対人スキル面での人材育成といえば、講師が新入社員などを前にノウハウを提供する、というのが一般的であった。しかし、同社のSmart Tutorを使えば、すべてAIとMRの技術で完結する。

 

Smart Tutorのユーザーは、即時に提供されるフィードバックを参考にしながら、サービス上で実際にコミュニケーションを重ねることで、対話力や語学スキルを磨くことができる。

同サービスの企業側へのメリットとしては、

・一定の基準に基づいた客観的な評価が行えること

・コスト・時間・リソースの効率的な運用ができること

などが挙げられている。

同サービスを使えば外部講師を呼ぶ、新入社員を集めて研修をする、といった手間を省くことが可能だ。また、一般的に客観的な評価を下すことが難しいとされる「コミュニケーションスキル」だが、AIが公平に評価してくれる点も、企業としてはありがたいだろう。

 

一方、生徒側としては、

・自主的に学び、講師への依存度が下がること

・いつでもどこでもフィードバックが得られること

などが価値であるとされている。

1対1や少人数でのレッスンでない限り、タイムリーなフィードバックを得るのは難しいが、このサービスでは常にユーザーのパフォーマンスに対してデータに基づくアドバイスが提供されるため、より早く成長できるのではないだろうか。

 

共同創業者

創業者はCEOのJon Su氏、CTOのArun Mehta氏、FinanceのYuki Yoshinaga氏の三名である。彼らが、厳密な意味での”Immigrants”なのか(事業拠点が米国なのか、すでに移り住んでいるのか等)の詳細については不明だが、移民及び海外からの優秀な人材が米国で事業を起こしている点は、”Immigration”がピックアップされた理由と通じるだろう。

 

おわりに

冒頭に引用した記事内では、先に挙げたものの他に、PrivacyやFreelancing、Chinaなどがトレンドとして選ばれている。新しいテクノロジーや事業が創出されていくのを見ているのはもちろん楽しいが、こういったキーワードを念頭に置いて観察するとまた違った面白さが見えてくるのではないだろうか。

 参考URL

Here’s Mary Meeker’s essential 2018 Internet Trends report” 

PlusOne

(リンクは新ウィンドウまたはタブで開きます。)

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