2/23 Amazonは当社が発売する音声アシスタントAmazon Echoの”スキル”数が10,000を突破したと発表した。
http://venturebeat.com/2017/02/23/alexa-passes-10000-skills-here-are-the-top-10/
2014年11月に発売開始をされたAmazon Echoはアメリカにて徐々に販売台数を増やしており、2017年,世界最大のテックイベントである「CES」ではほとんどの電化製品にAmazon Alexaが搭載されたと話題になっている。
Amazon Echoの”スキル”とはiPhoneでいう”アプリ”を示しており、Amazon Echoをインターフェイスとして様々なサービスを展開する事が可能となる。例えば「Short bedtime Story」という”スキル”を登録すると就寝時にAmazon Echoが読み聞かせを行ってくれる。
さて、AmazonやGoogleが発売しているこの音声アシスタントだが、スマホに続く第2のインターフェイスとなり得るのだろうか。
AppStoreにこれほどまでのアプリが登録されている背景には、iPhoneの販売台数が強く関与している。ユーザー数が多ければ多いほど、iPhoneを通じて提供できるソリューションにもバリュエーションが生まれ、多くのアプリが開発されるという流れだ。
AmazonのskillはiPhoneでいうアプリのように、多くのソリューションを提供するものとなるのだろうか。Amazon Echoはスマホに継ぐ第二のインターフェイスとなるのだろうか。
①AppStoreのアプリ数とAmazon Echoのスキル数の推移と、②iPhoneとAmazon Echoの販売台数より考察してみる。
(AppStoreにおけるアプリ数の推移)
(Amazon Echoスキル総数推移)
https://www.macstories.net/stories/wheres-the-app-for-that-fixing-app-store-discovery/
http://www.macadamian.com/2016/12/01/alexa-skills-101-before-the-first-line-of-code/
①AppStoreのアプリ数とAmazon Echoのスキル数の推移
Appstoreにおけるアプリの総数は2007年6月のiPhone発売から2015年6月の8年間でおよそ1.5millionまで増加している。そしてその増え方は非常に綺麗な増え方をしている。単純計算をすると1年間で187,500個、1ヶ月で15.620個のアプリが開発、登録されたことになる。
一方で2016年6月にスキルの開発が一般ディベロッパーに公開されてから、現在2017年2月25日に10,000のスキルが開発された。およそ8ヶ月で10,000個なので1ヶ月平均で1.250個程度である。
②iPhoneとAmazon Echoの販売台数
2007年6月にiPhone発売が発売され、2016年7月のにiPhoneの総販売台数が1billionを超えたとAppleは発表している。9年と1ヶ月で1billionの生産台数を単純計算すると、1ヶ月でおよそ9,175,000台(9,1million)が販売されたとなる。
一方で2014年11月に発売が開始されたAmazon Echoは2016年11月段階で5.1milion台が発売されたと報じられている。
単純計算すると1ヶ月で425,000台(0,425million)となる。
http://www.apple.com/newsroom/2016/07/apple-celebrates-one-billion-iphones.html
https://www.cnet.com/news/amazon-echo-has-sold-over-5-million-units/
さて、①②を比較するとやはりAmazon Echoのスキル数も、Amazon Echo自体の販売台数も大きく劣る。当初iPhoneは携帯電話のリプレースというポジションであったため携帯電話からiPhoneへの移行が比較的容易であったことが考えられる。一方Amazon Echoは音声アシスタントという新しいジャンルの製品であり、既存のサービスや製品化から使い替えるという購買行動が生じないことが原因の一つであろう。
しかし、Amazon Echo自体の販売台数は増えずともAmazon skillの数は今後爆発的に伸びることが予想される。Amazonはskill kitという開発用のAPIを公開しており、冷蔵庫や電子レンジ、電球やテレビなどハードを製造、販売するメーカーが無料でAmazon Alexa(音声アシスタント機能)を自社のハードに搭載することが可能である。
アメリカ国内で、冷蔵庫の1年間の販売台数はおよそ10million台であり、オーブンなどの電子レンジ関連は3.5million台が発売される。全ての新作電子製品にAlexa(音声アシスタント機能)が導入されると断言はできないが、今後ほとんどの電子機器に搭載されるのは間違いないだろう。
現在Amazon EchoやAlexaの開発サービスはアメリカ、イギリス、ドイツで展開されており、各国の年間電子機器販売数を合計すると、iPhoneが1ヶ月でおよそ9.1million台発売されたという数値を追い越すことになるだろう。
https://www.statista.com/topics/2183/ranges-ovens-and-microwaves/
https://www.statista.com/topics/2182/refrigerators-and-freezers/
Amazon Echo自体のデバイスの発売台数だけでなく、他社の電子製品にAlexaを搭載することにより音声アシスタント”skill”数が増えていく。対抗するGoogleがどのように対応するのかも注目である。
慶応大学を休学し、シリコンバレーに一年間留学中。
起業家へのインタビュー、大手米国企業のリサーチを精力的に行う。