先日、22歳で日本最年少としてVCを設立されたReo Kasaiさんの記事を目にした。
ここ、シリコンバレーでは20代でエンジェル投資家として活躍する若者は少なくない。私は約半年前にhackjpnをデラウェア州で登記したので、株式会社(INC)のつくり方となると一通り説明できる。会社を創業する際に資金は必要ない。サービスをリリースしている必要もない。登記することはさほど難しくなく、5分あれば誰でもできる。会社の経営者であることなど何のアテにもならないだろう。しかし、VCとなればどうだろうか。ファンドの設立、LP(limited partner)とのネットワーキング、考えるだけで必要事項が多そうだ。
今回はVCに始めるにはどういった手順が必要かをリサーチしていたところ、起業家をなのるシリコンバレーの18才学生の質問とそれに対する投資家の解答がとても参考になったので、それをご紹介したい。
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#Question
起業家を名乗る学生:
僕は18歳でシリコンバレーで数多くのスタートアップを経験してきた。起業したり、VPやCTOとして数多くのスタートアップのアドバイザーをしているんだ。そして今VCを始めたいと思ってる。それもearly stageの投資をしたくってY-combinatorみたいに小規模のスタートアップを教育できるようなインキュベーターを作りたいんだ。そこで質問したいのが、どうやってスタートすべきか、それとも私はVCを始めるには若すぎるのかを知りたい。回答よろしく!
(英文をフランクに解釈したのは著者の意図です)
#Answer
ガチVCからの解答:
あなたの希望あふれる志を共有してくれてありがとう。
VCを始めるには2種類あります。
1, 個人投資家としてポートフォリオを作りLPを口説くこと。
過去にあなたがどれだけ投資業で成果をあげたかをLP(Limited Partner)に共有して、あなたに投資したいと思ってもらえるようにポートフォリオを作りましょう。(投資先がExitする必要はなく、少なくともExitするポテンシャルがあると見せられるだけで十分です) 投資業でのポートフォリオを作れば、実績ある投資家にコンタクトしましょう。彼らににはここから( https://angel.co/syndicates )コンタクトとれます。
2, 実績がなくてもあなたに投資してくれるお金持ちを見つけること。
もし、実績なしで今すぐVCを始めたい場合はあなたのファンドに投資してくれるパートナーを友達や家族のツテを使って探しましょう。VCを設立するのは少なくとも5億ほど欲しいですね。だいたいのLP(limited partner)は2-10%の資金をパートナーの自己資金からだして欲しいので、5億のファンドを作るのであれば、あなたもしくはあなたのパートナーから5000万集めることができたら問題ないと思います。
あなたの成功を心より願っております。
(英文を丁寧口調に解釈したのは著者の意図です)
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以上の解答によれば5千万ほど集めることができれば、どうやらVCをつくることができるようだ。
5千万といえば、日本の一般サラリーマンが一生かけて稼ぐお金、2億円の四分の一である。それを20代前後が自己資金で集めるのはとても厳しそうだ。先日紹介した”シリコンバレーに増える中国人若手投資家“のような一族が大富豪でない限り、VCに所属して投資業における実績を地道につくり、その後LPとネットワーキングすることが最善の手段ではないだろうか。
VCを設立するにはどうやら5分とはいかず極めてハードルが高い。改めて今回VCを22歳で設立されたReo Kasaiさんに心から祝福させていただきたい。
hackletter/tomura
参考記事
tech crunch: http://jp.techcrunch.com/2015/10/23/ifangel/
18才投資家のブログ: http://ononao.tokyo/
ceo of hackjpn