成功者ゆえのプレッシャー?シリコンバレーの自殺問題

成功者ゆえのプレッシャー?シリコンバレーの自殺問題

 PayPal VPとSkype CFOを兼任していたEric Salvatierraをはじめ、Jody ShermanやAaron Swartz等成功を納めながらも自ら死を選んだ実業家は少なくない。多くの人はこれらの悲劇がやっかいな訴訟、なかなか上手く行かないスタートアップ経営などに対するプレッシャーから生じたものであると予想している様だが、理由が何であるにせよ、全ての事件に当てはまる悲痛な事実はひとつ – 自殺は避けられたということだ。

<好況の陰>

 アメリカの自殺率は2000年から確実に上昇している。シリコンバレーでは、その中心を走るCaltrain線路への飛び込み自殺が多いようだ。また、世界トップクラスの離婚率、子供たちが抱える心理的ストレス、広がる薬物やアルコールの乱用も問題となっている。この高い自殺率や離婚率は、もがいているのは決してCEOやVPだけでは無いということを示していると言えるだろう。

<子供たちにも広がるプレッシャー>

 上記の通り、ストレスを抱えているのは決してビジネスの最前線で活躍する大人たちだけではない。シリコンバレーで2009年に自殺した生徒のうち、5人がGunn高校に通っていた。同校はアメリカの公立高校の中でトップクラスのSATスコアを誇り、STEM(*Science, Technology, Engineering, Mathの意)教育でも2012年に国内4位ランクイン、またクラスの95%が大学に進学。国内トップの高校に通うことは、成功者である生徒の保護者、教師、同輩からのプレッシャーとも重なりかなりのストレスになるのだろう。Palo Altoに住むひとりの親が出した「プリンストンではだめだ。ハーバードかイエールに行きなさい。」というコメントは、このプレッシャーの典型だ。

<自殺の主な原因>

 自殺の原因は複雑で多方面に渡るものであるが、プレッシャー、適切に治療されなかった精神病、精神病にかかることへの恥辱・忍耐を讃える文化、失敗、ストレスが主だろう。シリコンバレーで働く若い野心家の中には、愛する人よりもパソコンとより長い時間を共にする人もいるくらいだ。

<”職場のストレスから起こる”自殺を防ぐ解決策とは?>

1:いざという時、自殺のサインに気付くための社員教育を

2:問題を見つけたら、すぐに報告出来る環境づくり

3:「燃え尽き症候群」を事前に防ごう

4:しっかり睡眠を取り家族との時間や趣味も楽しめるよう、社員に時間のゆとりを与えよう

5:従業員間のつながりをより深いものに

6:「失敗は成功のもと」という考え方を広めよう

<まとめ>

 シリコンバレーで起こっている自殺は、一連の複雑な事実が積み重なった結果である。しかし、適切な治療を提案し妥当な知識を持つこと、助けを必要とする人に一歩近づく勇気を持つことで、誰もが命を救うことが出来るはずだ。

http://toobbox.com/blog/suicide-in-silicon-valley/

成功者ばかりが注目されがちだが、誰もがシリコンバレーで億万長者になれるとは限らない。また、ビジネスで成功しても、その裏にあるストレスから心を病んでしまう実業家も少なくないようだ。頑張り過ぎていると感じたら週末にはスポーツを楽しむなど、健康と仕事とのバランスを大切に。